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高知の版画 Modern HANGA Prints in Kochi
2017年10月26日[木] - 2018年01月10日[水]
※12月27日~1月1日は年末年始のため休館
会場:
2階 第1展示室
観覧料:
一般360円(280円) 大学生250円(200円)、 高校生以下無料
*( )内は20名以上の団体料金。
*身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳及び被爆者健康手帳所持者とその介護者(1名)、高知市及び高知県長寿手帳所持者は無料。
*年間観覧券所持者は無料。
*同時開催の「高知の洋画展」(10月18日~2018年1月14日)、「石元泰博・コレクション展」も併せてご覧いただけます。
*「高知県美術館二大コレクション展」のチケットをお持ちの方も無料でご覧いただけます。
内容
江戸時代に人気を博した浮世絵版画を筆頭に、「版」を用いた表現は我が国で伝統的に親しまれてきました。明治以降に版画を手掛けた高知ゆかりの作家を辿ると、西洋伝来の石版画技法で雑誌の挿絵を描き、近世から続く浮世絵の版元から木版画を出版した山本昇雲や、昭和初期にモダンな裸婦像を木版画で制作した石川寅治といった、絵師・彫師・摺師という役割ごとの分業制に基づく制作手法を採用した作家たちが浮かび上がります。一方で、石川に影響を受けた坂本義信は、下絵から彫り、摺りの工程をすべて一人でこなして《土佐三十絵図》を完成させ、高知における創作版画の先駆者として名を残しています。
また、高知市出身の日和崎尊夫の存在は、本県の版画の歴史に大きな影響を及ぼしました。独自の宇宙観を凝縮した緻密な木口木版画に才覚を発揮した日和崎は、木口木版作家によるグループ「鑿(のみ)の会」を結成などを通して、この技法が秘める可能性を追求しました。日和崎が創設に携わった高知国際版画トリエンナーレには、「鑿の会」のメンバーである栗田政裕や小林敬生らが出品、小林はトリエンナーレの審査員をも長年務め、高知の版画芸術の発展に寄与しています。
本展では上述の版画家のほか、土佐和紙の開発にも尽力した中林忠良や「生涯一高知の版画家」を貫きトリエンナーレの運営や郷土の後進の育成に尽力した坂上貞宣の作品、さらにはトリエンナーレの歴代の高知県立美術館賞受賞作も併せて公開し、近代以降の「高知の版画」の歩みを概観します。 和紙の産地として名高い高知県にゆかりを持つ版画家たちが織りなす紙上の芸術をお楽しみください。
関連展覧会・企画
〇関連展覧会第10回高知国際版画トリエンナーレ展
会場:いの町紙の博物館 主催/土佐和紙国際化実行委員会
会期:10月7日(土)~12月3日(日)
〇本展関連イベント
第10回高知国際版画トリエンナーレ展記念講演会
「現代版画の可能性」
主催:土佐和紙国際化実行委員会
講師:小林敬生氏(版画家・多摩美術大学名誉教授、本展出品作家)
日時:10月29日(日)13:30~15:00 会場:高知県立美術館1階講義室
*定員50名(先着順) 聴講無料
〇サタデー・レクチャー 「和紙と保存修復」
近年文化財の保存修復の分野では、日本の伝統的な素材である和紙が世界的な注目を集めるようになりました。高知県在住の紙本保存修復家である一宮佳代子氏に、作品の保存修復の現場における和紙の使用について、レクチャーしていただきます。
講師:一宮佳世子氏(紙本保存修復家)
日時:11月25日(土)13:30~15:00 会場:高知県立美術館1階講義室
*定員50名(先着順)聴講無料
学芸員によるギャラリートーク
会期中の毎土曜13:30より、学芸員によるギャラリートークを行います。2階第1展示室にお集まりください。要観覧券。
※サタデー・レクチャー開催日を除く。
坂本義信《土佐三十絵図 高知城》1947年 紙・木版
坂上貞宣《天狗高原》(詩画集『風光夢』より)1974年 紙・エッチング