collection I コレクション展

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石元泰博・コレクション展 落ち葉と空き缶

2025年04月24日[木] - 2025年10月19日[日]

前期:4月24日(木)-6月29日(日)
後期:7月12日(土)-10月19日(日)
*6月30日~7月11日、9月8 日~12 日、9月26 日~10月3日は休室

会場:
2階 石元泰博展示室

観覧料:
一般400(320)円・大学生280(220円)・高校生以下無料

*観覧料はすべて消費税込価格
*( )内は20名以上の団体料金
*年間観覧券ご持参の方は無料
*身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳及び被爆者健康手帳所持者とその介護者(1名)、高知県及び高知市長寿手帳所持者は無料

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1985年初秋。ニューヨークのセントラルパークを歩いていた石元は、ふと目に入った、ベンチの上に落ちて雨に濡れた枯れ葉に心を奪われます。

これをきっかけに撮影を始めたのが〈落ち葉〉のシリーズです。雨が降ると石元は、自宅のある北品川から五反田周辺を歩きまわり、通行人に踏みつけられてアスファルトにへばり付いた落ち葉を見つけては、シャッターを切りました。ほとんど路面と同化し、かろうじて葉脈が形を残すのみとなった樹葉の姿に生命感を覚え、強く惹きつけられたといいます。そのうちに、車窓から捨てられ、自動車に轢かれて押し潰された空き缶へも、同様にカメラを向けるようになりました。

足元の被写体への徹底した凝視の態度は、来日すぐの初期作〈桂離宮〉(195354年)で庭園の敷石を克明に捉えたそれを彷彿させます。また、細部に注がれた微視的な眼差しは、宇宙そのものを示すとされる曼荼羅図を数千カットにわたって接写した〈両界曼荼羅〉(1973年)の仕事にも通じるものでしょう。さらには、蕾から枯れるまで、植物の構造や形をつぶさに見つめた〈HANA〉(1986-87年)との連関をみることもできるかもしれません。

晩年の石元は、あらゆるものが刻々と生成と消滅を繰り返す世界の在り方に関心を寄せていました。落ち葉と空き缶の他にも、雪に残る足跡や、絶えず形を変える雲、河川の水や雑踏の人波が流れるさまなど、身の周りにあるうつろいゆくものの撮影に取り組んでおり、写真集『刻 moment』(2004年)はこれらを集成したものです。

本展では、『刻』掲載作を中心に、自然物である落ち葉と、人工的に作られた空き缶という対照的な被写体が、同じく路上に朽ちゆく2つのシリーズをご覧いただきます。

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