exhibitions 展覧会

2025:11:01:13:41:02:2026:01:18:00:00:00
異端の奇才 ビアズリー展
2025年11月01日[土] - 2026年01月18日[日]
※12⽉27⽇(⼟)から1⽉1⽇(⽊・祝)は休館
開館時間|9:00−17:00(⼊場は16:30)
※12⽉18⽇(⽊)は19:00まで(⼊場は18:30)
観覧料|⼀般前売1,360円、⼀般当⽇1,700円(1,360円)、⼤学⽣1,000円(800円)、⾼校⽣以下無料
( )内は20名以上の団体料⾦/年間観覧券所持者は無料/⾝体障害者⼿帳、療育⼿帳、精神障害者保健福祉⼿帳、戦傷病者⼿帳及び被爆者健康⼿帳所持者とその介護者(1名)、⾼知県及び⾼知市⻑寿⼿帳所持者は無料
前売券販売所(予定)|県⽴美術館ミュージアムショップ、⾦⾼堂書店本店、こうち⽣活協同組合(コープよしだ、コープかもべ)、県庁⽣協売店、ローソンチケット(Lコード:63171)
※8/23(⼟)10:00よりローソンチケットにて前売券販売開始。その他のプレイガイドは9⽉下旬より順次販売開始予定。
主催|⾼知県⽴美術館(公益財団法⼈⾼知県⽂化財団)、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館、朝⽇新聞社、KUTVテレビ⾼知
後援|ブリティッシュ・カウンシル、⾼知県教育委員会、⾼知市教育委員会、⾼知新聞社、NHK⾼知放送局、KCB⾼知ケーブルテレビ、エフエム⾼知、⾼知シティFM放送
協⼒|⽇本航空
センセーショナルでエレガント、
ユーモラスでグロテスク。
19世紀末イギリスの画家、待望の高知初上陸。
内容
ヴィクトリア朝イギリスで活躍した画家、オーブリー・ビアズリー。オスカー・ワイルド著『サロメ』挿絵の血のしたたる頭部を持って嗤う女性像はあまりにも有名です。選び抜いた線、斬新な画面構成、独自の物語解釈によって描かれた作品は、その妖しい魅力によって多くの人を惹きつけました。その後も雑誌『イエロー・ブック』や『サヴォイ』、ポープの『髪盗み』の挿絵など意欲的に制作を続けますが、幼少より患っていた結核のため25歳という若さで亡くなります。大胆な白と黒の色面のなか渦巻く髪の毛、流れるような衣、図案化された植物――緻密な線と繊細な点描で描き込まれた作品群は、今なお多くの画家やデザイナーに影響を与えています。
本展覧会ではイギリスのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)の協力により、初期から晩年までの作品約200点を展示します。出世作『アーサー王の死』から後期の傑作『モーパン嬢』の挿絵の数々、希少な直筆の素描、彩色されたポスターや、家具、食器といった同時代の調度品などを通じて、19世紀に花開いた退廃的で優美な世界をご覧ください。
主な展示作品 『アーサー王の死』『サロメ』『モーパン嬢』『エドガー・アラン・ポー作品集』『イエロー・ブック』『ザ・サヴォイ』
展示総数 209点
オーブリー・ビアズリー
Aubrey Beardsley(1872-98)
イギリス・ ブライトン出身。家計を支えるため16歳から事務員として働き、夜間に制作活動を行った。トマス・マロリー著『アーサー王の死』(1893-94)や オスカー・ワイルド著『サロメ』(1894)の挿絵で成功してからも、ろうそくの光のもとで絵を描いたのは、その名残といえる。1895年にワイルド裁判の余波で『イエロー・ブック』美術編集の職を失うが、季刊誌『サヴォイ』(1896)やアレクサンダー・ポープ著『髪盗み』(1896)の挿絵で新境地を見せた。幼少期からの肺結核により25歳で他界。
フレデリック・エヴァンズ《オーブリー・ビアズリーの肖像―横顔》1894年頃
みどころ
1. 四国初のビアズリーの大回顧展!
直筆約50点を含む、初期の代表作『アーサー王の死』、ビアズリーの名を知らしめた『サロメ』挿絵から繊細な点描を用いて制作された典雅な『髪盗み』、『モーパン嬢』など晩年の作品まで網羅。
2. ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館全面協力!
イギリス・ロンドンにあるヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)は早い時期からビアズリー作品を収集しています。世界有数のビアズリー・コレクションから150点が一挙来日します。
3. サロメの系譜をたどる
新約聖書に登場する王妃ヘロデヤの娘サロメは西洋美術のなかでさまざまな画家たちによって描かれ、世紀末には妖艶な美女としてイメージされるようになります。19世紀の画家ギュスターヴ・モロー、アルフォンス・ミュシャなどが描いたサロメ、また舞台芸術における多様なサロメの姿をご紹介します。
4. 19世紀イギリスで流行した調度品の数々を展示
19世紀後半のイギリスでは、日本の文物から影響を受けてデザインされた「アングロ=ジャパニーズ様式」が流行しました。ビアズリーの生きた時代を感じられる家具や食器などの装飾美術を紹介します。
高知会場限定!
スペシャルコラボ「ビアズリー×楠本まき」
12月中に本展ご来場の方に漫画家・楠本まきによるオリジナルイラスト入りのしおりをプレゼント! ※なくなり次第配布終了
『Kの葬列 愛蔵版』 🄫楠本まき/小学館クリエイティブ
※実際のイラストは異なります。
楠本まき|Maki Kusumoto
漫画家。著書に「KISSxxxx」「Kの葬列」「致死量ドーリス」「赤白つるばみ」などがある。2021, 22 年には 大規模個展『線と言葉・楠本まきの仕事』を京都国際マンガミュージア ム、弥生美術館にて開催。自身が「もっとも影響を受けた画家」として ビアズリーの名を挙げている。英国にまつわるエッセイも多数執筆。ロンドン在住。『楠本まきコレクション』(小学館クリエイティブ)刊行中。
関連イベント
◆ 記念講演会
「ビアズリーとボッティチェリ:再発見されたルネサンス画家と19世紀末のイギリス美術」
日時|11月24日(月・祝)13:30-15:00
講師|高橋裕子(学習院大学名誉教授、芸術書出版アートワークス代表)
会場|1階 講義室[聴講無料・予約不要]
ビアズリーは「異端の美術家」と見られることが多く、確かに彼が短い生涯の間に残した作品は、そのユニークさで強い印象を与えます。しかし、無から有は生じないという常識は、実はビアズリーにも当てはまるのかもしれません。彼の芸術を19世紀のイギリスにおける「ボッティチェリの再発見」という現象と関連付け、その影響を受けた他の美術家たちと比較した上で、ビアズリーの独自性とは何かを改めて探究します。
高橋裕子|Hiroko Takahashi
1949年東京生。上智大学文学部史学科を経て東京大学大学院人文科学研究科で西洋美術史を専攻、美術史関係の書物の著述や翻訳に携わる。1994年から千葉工業大学でデザイン史を、1998年からは学習院大学文学部哲学科で美術史と芸術学を講じた。2018年の大学退職後は、有限会社アートワークス代表として翻訳芸術書の刊行に注力している。本講演に関わる著書に『世紀末の赤毛連盟』と『イギリス美術』(共に岩波書店だが絶版)、最新の訳書としてフランシス・ハスケル著『束の間の美術館』(アートワークス、2025年4月)がある。
◆ 秋の定期上映会
「異才たちの宴 ポーと乱歩とビアズリー」
日時|11月15日(土)、16日(日)
会場|美術館ホール
相互割引|本展のチケット又は半券提示で上映会を前売料金、上映会のチケットまたは半券提示で本展が前売料金 でご覧いただけます。
※上映ラインナップや料金、上映時間などの詳細は、下記ウェブページをご覧ください。
◆ ワークショップ
「白と黒で描く蔵書票」
ペンとインクでオリジナルの蔵書票(本の持ち主を示すためのラベル)を作ります。
日時|11月30日(日)、12月7日(日) 13:30-15:30 ※2回とも参加できる方
講師|山本明子(画家、イラストレーター)
対象|中学生以上
定員|15名
参加費|500円[要観覧券]
会場|1階 創作室
申込方法|お電話(088-866-8000/9:00-17:00)もしくはEメール(museum@kochi-bunkazaidan.or.jp/件名:ビアズリー展WS、本文:①お名前 ②電話番号 ③年齢 ④人数 を記入)にてお申込みください。
◆ サタデー・レクチャー
「ビアズリー その源泉と影響」
日時|12月6日(土)13:30-15:00
講師|栁澤宏美(当館学芸員)
会場|1階講義室 [聴講無料・予約不要]
◆ 担当学芸員によるギャラリートーク
日時|11月9日(日)、12月14日(日)、1月4日(日)各14:00-
集合場所|2階ビアズリー展会場[要観覧券・予約不要]
◆ ティーチャーズ・デー
高知県内の教職員の方を無料で展覧会に招待します。担当学芸員のギャラリートーク付きで本展を鑑賞したのち、学校利用についてのカウンセリングを行います。図工や美術以外の先生でもご参加いただけます。
日時|12月14日(日)14:00~
申込方法|お電話(088-866-8000/9:00-17:00)にて12月7日(日)までにお申込ください。
◆ 12月18日(木)は夜間開館デー
19:00まで開館!(入場は18:30まで)
17:45からギャラリートーク有。
◆ 予約制無料託児サービス
日時|11月15日(土)11:45~15:00
11月16日(日)13:15~16:00
11月17日(月)10:00~13:00
定員|各回6名程度 料金:無料(要観覧券)
対象|本展、もしくは上映会を鑑賞される方のご家族で、生後6ヶ月から就学前のお子さま
申込方法|お電話で仮予約の上、申込書を11月8日(土)までにお送りください。
◆ 同時開催
コレクション・アラカルト展③
「日本のビアズリー」山六郎の作品を展示
高知県安芸市出身の図案家、装幀家の山六郎(1897-1982)は大阪の中山太陽堂に入社後、1922年にプラトン社に出向、雑誌『女性』創刊にあたりタイトルロゴ、装幀、挿絵等を担当しました。繊細で流麗な線で描かれた挿絵はビアズリー風のスタイルとして人気を博しました。展示室A「コレクション・アラカルト③」で当館所蔵の作品や個人蔵の作品を展示予定です。
◆ ミュージアムカフェ マルク
コラボメニュー
会期中、英国発祥のアフタヌーンティー(紅茶と焼菓子等のセット)を販売します。
オーブリー・ビアズリー《孔雀の裳裾》1907年
オーブリー・ビアズリー《サロメの化粧Ⅱ》1907年
オーブリー・ビアズリー《アーサー王は、唸る怪獣に出会う》1893年
オーブリー・ビアズリー《猿を連れた婦人》1897年
オーブリー・ビアズリー《アヴェニュー劇場公演の宣伝ポスター》1894年
オーブリー・ビアズリー《詩人の残骸》1892年
所蔵はすべてヴィクトリア・アンド・アルバート博物館
All Photos: Victoria and Albert Museum, London