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春の定期上映会 タイ映画の異才-アピチャッポン・ウィーラセタクン監督特集 平成18年度JAFRAアワード(総務大臣賞)受賞記念

2007年05月19日[土] - 2007年05月20日[日]

上映日:2007年5月19日(土)、5月20日(日)
会場:高知県立美術館ホール
入場料:前売1日券1,000円 当日1日券1,200円
身体障害者手帳・療育手帳・障害者手帳・戦傷病者手帳・被爆者健康手帳所持者とその介護者(1名)は3割引です。割引料金前売700円/当日840円*身体障害者割引前売券については、高知県立美術ミュージアムショップ、高知県立県民文化ホールで取り扱います。*KoMPal会員は当日でも前売料金でご覧になれます。KoMPal「映画上映会引き換え券」をご使用いただけます。


主催:高知県立美術館
後援:NHK高知放送局・高知新聞社・RKC高知放送・KUTVテレビ高知・エフエム高知・KSSさんさんテレビ
助成:財団法人地域創造・アサヒビール芸術文化財団

フィルム・写真提供:国際交流基金
『ブリスフリー・ユアーズ』、『アイアン・プッシーの大冒険』

フィルム・写真提供:コミュニティシネマ支援センター
『トロピカル・マラディ』

提供:全州国際映画祭、日本語字幕:PLANET+1 
『Worldly Desires』

協力:(財)国際文化交流推進協会(エース・ジャパン)、山形国際ドキュメンタリー映画祭実行委員会 トモ・スズキ・ジャパン

「タイ映画の異才-アピチャッポン・ウィーラセタクン監督特集」
高知県立美術館春の定期上映会 平成18年度JAFRAアワード(総務大臣賞)受賞記念

-カンヌ、全州、山形、東京フィルメックス-
名だたる国際映画祭で受賞し、今世界で最も注目されている監督!!-

活況を呈するタイ映画から登場し、独特の世界感を表現し、世界中の映画祭で注目を集めているアピチャッポン・ウィーラセタクン監督の特集上映を行います。アピチャッポン監督は、70年タイ・バンコクに生まれ、タイで建築を学んだ後アメリカで映像制作を学びました。90年代初めからフィルムやビデオを使い映像表現を始め、これまでのタイの映像制作システムには属さず、様々な要素からインスピレーショを得て作品に取り入れたり、ドキュメンタリーとフィクションの間を行き来するような即興性の強い映像を作り出し、カンヌ、全州、山形、東京フィルメックスなど名だたる映画祭で賞を受賞し注目されています。しかしその実験的な作風のため、日本においても、映画祭以外では上映される機会がほとんどなく、特に短編作品は、実験映画や美術の世界で取り上げられる機会の方が多いという状況でした。今回はアピチャッポン監督の新作をはじめ、日本未公開の短編作品を上映し、アピチャッポン監督の全貌に迫ります。また、アピチャッポン監督がこの上映会のために来高します。この機会にぜひご覧下さい。


上映作品

5月19日(土)
13:00~14:23
『真昼の不思議な物体』 Mysterious Object at Noon
(2000年/83分/B&W/35ミリ)
〔山形国際ドキュメンタリー映画祭実行委員会提供〕

名もない小村や町に立ち寄りながら、タイを北部から南下してゆく撮影クルーは、それぞれの地元民たちに、自分たちの言葉と想像力で「足の悪い少年と家庭教師の話」という物語を次々と語らせ、演じさせてゆく。マイクを向けられる屋台の物売り、警官、ゴム園の労働者など、彼らの語る“不思議な物体”の物語とは…。ドキュメンタリーとフィクションの境界を行き来しながら、年齢も境遇の異なる人々によって自由奔放に紡がれる物語を、知的なジグソーパズルのように組み合わせた作品は各国で絶賛され、その名を知らしめた。全州国際映画祭グランプリ、山形国際ドキュメンタリー映画祭インターナショナル・コンペティション優秀賞・NETPAC特別賞ほか受賞。

14:30~16:35
『ブリスフリー・ユアーズ』 Blissfully Yours
(2002年/125分/カラー/35ミリ)
〔国際交流基金提供〕
働いていた工場を解雇されてしまった、不法就労の青年は、彼に好意を寄せる若い女性を連れ、国境近くにある森へ向かった。そこでふたりは、不倫相手の愛人と一緒に森に来ていた中年女性と出会い、都会の喧騒からは隔絶されたような静かな森の中で、3人の上を時がゆったりと流れてゆく。豊かな自然の中、平凡な登場人物たちと素朴な物語で描かれながらも、通常のドラマツルギーから大きく逸脱した独創的な語り口は、世界の映画界でも他に類を見ない。
●カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリ、東京フィルメックス最優秀作品賞ほか受賞


16:45~18:43
『トロピカル・マラディ』Tropical Malady
(2004年/118分/カラー/35ミリ)
〔コミュニティシネマ支援センター/財団法人国際文化交流推進協会(エース・ジャパン)提供〕
山間の小さな村、愛し合う2人の青年、兵士のケンと村の青年トンは静かな日々を過ごしていた。そんな中、牛が次々と殺されてゆく事件を調べるため、残された足跡をたどって森の奥深くに分け入ったケンは、全身に刺青を施した不思議な男の姿を目にする…。“呪いにより、人間が虎に変身する”というタイの民間伝承を背景に描かれ、カンヌ映画祭でも賛否両論を巻き起こした本作は、淡々と描かれる前半から一転して怪奇な様相を帯びる後半、そして衝撃的なラストと、見るものに様々な解釈を可能としている。
●カンヌ映画祭審査員賞、東京フィルメックス最優秀作品賞受賞

トロピカル・マラディ上映後、アピチャッポン監督とのQ&A質疑応答。

5月20日(日)
13:00~14:30
『アイアン・プッシーの大冒険』 The Adventure of Iron Pussy
(2003年/90分/カラー/DVCAM)
〔国際交流基金提供〕

1作ごとに新たな映像世界を切り拓いてゆくアピチャッポン監督。この作品は、なんと女装の麗人が歌い踊る、異色のウエスタン・ミュージカル!パフォーマンス、インスタレーション、映像作品など多方面で活躍するフィラデルフィア生まれのタイ人アーティスト、マイケル・シャオワナーサイが99年から制作を始めたビデオ作品「アイアン・プッシー」シリーズから生まれた本作には、商業映画とアート作品が自然に寄り添う、タイ独特の映画事情も伺える。荒野を行く美女アイアン・プッシーのキッチュな勇姿は、必見。


14:40~15:45
アピチャッポン監督短編集(合計: 約63分)

1. 『国歌』(2006/5分/35mm/タイ語(日本語字幕ナシ))
2. 『この光、より多くの光』(2003/1分/DVD/無声)
3. 『Worldly Desires 』(2005/40分/DVCAM/タイ語(日本語字幕))
4. 『ハタナカ・マサトと撮るノキア』( 2003/2分/DVD)
5. 『LUMINOUS PEOPLE』( 2006/15分/DVCAM/タイ語(日本語字幕))
アピチャッポン監督の日本未公開短編作品をこの上映会の為に特別に上映いたします。


15:55~17:40
『世紀の光』 Syndromes and a Century
(2006年/105分/カラー/35ミリ)
第63回ヴェネチア国際映画祭においても多大な成功を収めた作品。 前半と後半のふたつのパートによって構成され、前半はタイ郊外にある総合病院が舞台となり、医師と患者との会話や恋の芽生え、その後の人間関係が描かれる。後半では舞台が都市部の近代的な病院に移され、医師と患者とのやりとりが前半とほぼ同じかたちで繰り返される。2部構成の方法は前作でも採用されていたものであり、似たような物語が変奏されていく形式はアピチャッポン・ウィーラセタクンの長編第1作以来の取り組みであるともいえる。今回の新作で重要なのは、その英題("Syndromes and a Century")からも明らかであるように、この物語の繰り返しが「症例」として位置づけられ、その「症例」には恋の病も含まれる。

世紀の光上映後、アピチャッポン監督とのQ&A質疑応答。

アピチャッポン・ウィーラセタクン Apichatpong Weerasethakul

1970年 タイ・バンコク生まれ。
母国で建築士を務めた後、シカゴ美術大学で映画を学ぶ。自主製作のショートフィルムが世界中で話題になり、1996年の帰国後、アート映画の普及を目的とした非営利組織「プロジェクト301」の運営に関与。1999年映画製作会社「キック・ザ・マシーン」設立。既存のシステムに属さず、アマチュアを多用し、ドキュメンタリーとフィクションを往来する作品を多々発表。
2000年『真昼の不思議な物体』がバンクーバーや全州、山形の映画祭で受賞。2002年の『ブリースフリー・ユアーズ』と2004年の『トロピカル・マラディ』が共に、「カンヌ映画祭」と「東京フィルメックス」で受賞。2005年『世紀の光』がヴェネチアで大絶賛。現在、最も注目される映画監督。


【フィルモグラフィー】  

1993年 短編映像やショートフィルムの発表開始

2000年『真昼の不思議な物体』
「バンクーバー国際映画祭」特別賞
「韓国・全州国際映画祭」グランプリ
「山形国際ドキュメンタリー映画祭」インターナショナル・コンペティション優秀賞とNETPAC特別賞

2000年『幽霊の出る家』
「イスタンブールビエンナーレ」出品
「イスタンブールビエンナーレ東京」展出品

2002年『ブリスフリー・ユアーズ』
「カンヌ映画祭」ある視点部門グランプリ
「東京フィルメックス」最優秀作品賞

2003年『アイアン・プッシーの大冒険』
「東京国際映画祭」招待

2004年『トロピカル・マラディ』
「カンヌ映画祭」審査員特別賞
「東京フィルメックス」最優秀作品賞

2005年『世紀の光』
「ヴェネチア映画祭」招待

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