PERFORMANCE & FILM 舞台芸術 & 映画

今後のイベント
春の定期上映会
ジャン=ピエール・
メルヴィル監督特集
ヌーヴェルヴァーグとフィルム・ノワールをつなぐ
フランスの鬼才
2025年05月24日[土] - 2025年05月25日[日]
上映日|2025(令和7)年 5月24日(土)・25日(日)
会 場|高知県立美術館ホール
入場料|
[1プログラム券]前売1,200円/当日1,500円(税込)
*身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・戦傷病者手帳・被爆者健康手帳所持者とその介護者(1名)は3割引。[割引料金]1プログラム券 前売840円/当日1050円(ローソンチケットは割引対象外)
*年間観覧券をご提示いただくと前売料金でご覧いただけます。
前売券販売所|
・高知県立美術館ミュージアムショップ
TEL. 088-866-7653 (9:00~17:00)
・金高堂書店本店(高知市帯屋町2丁目2-9)
TEL. 088-822-0161 (10:00~20:45)
・こうち生協 [コープよしだ(高知市吉田町6-6)/コープかもべ(高知市鴨部2-4-43)]
・ローソンチケット〔Lコード:62629〕
主催|高知県立美術館(公益財団法人高知県文化財団)
配給・協力|アダンソニア、アイ・ヴィー・シー
後援|高知新聞社、RKC高知放送、KUTVテレビ高知、KSSさんさんテレビ、エフエム高知、KCB高知ケーブルテレビ、高知シティFM放送
お問い合せ|高知県立美術館 TEL 088-866-8000
企画概要
ヌーヴェルヴァーグに多大な影響を与えたフレンチ・ノワールの巨匠、ジャン=ピエール・メルヴィル。善悪の両面を抱えた人間の複雑さや男たちの絆と裏切りを描き、フィルム・ノワールの確固たるスタイルを完成させました。彼の作品は、ヌーヴェルヴァーグの監督のみならず、クエンティン・タランティーノ、ジョン・ウー、北野武など世界中の映画作家に影響を与え、リメイク作品も多く作られています。
今回は、長編監督デビュー作をはじめ、初期の傑作ギャング映画、アラン・ドロン主演の不朽の名作、ジャン・コクトーとのコラボレーション作品の4本を上映します。今も輝き続けるメルヴィル監督の世界をぜひご堪能ください。
-
上映作品(各プログラム入替制) ※開場は上映の30分前
5月24日(土) | 5月25日(日) |
【Aプログラム】 10:00~11:47 12:00~13:40 |
【Bプログラム】 10:00~11:27 11:40~13:25 |
【Bプログラム】 14:30~15:57 16:10~17:55 |
【Aプログラム】 14:30~16:17 16:30~18:10 |
-
■ Aプログラム(5月24日(土)10:00~/25日(日)14:30~)
①『サムライ』Le Samouraï
1967年/107分/フランス/カラー/BD
監督・脚本|ジャン=ピエール・メルヴィル 撮影|アンリ・ドカエ 音楽|フランソワ・ド・ルーベ
出演|アラン・ドロン、フランソワ・ペリエ、ナタリー・ドロン
孤高の殺し屋ジェフは、コールガールの恋人ジャーヌにアリバイを頼み、仕事へ向かう。今回の標的を首尾よく暗殺したジェフだったが、現場を立ち去ろうとした際にピアニストのヴァレリーに顔を見られてしまい...。
一匹狼の殺し屋に、己のスタイルを貫き通す“侍”のイメージを重ねて描いた、アラン・ドロンの代表作。ドロンもこの作品を大変気に入り、自身のブランドの香水にも「サムライ」と名付けている。「私の夢はモノクロのカラー作品を撮ることだ」と語ったメルヴィルの言葉通り、カラー作品でありながらブルーがかった氷のような色調が美しく冴え渡る。クエンティン・タランティーノ、ジョン・ウーなど多くの映画作家に影響を与えた、不朽の名作。
5月24日(土) 10:00~11:47
5月25日(日) 14:30~16:17
-
②『賭博師ボブ』Bob le Flambeur
1956年/100分/フランス/モノクロ/BD
監督|ジャン=ピエール・メルヴィル 脚本|ジャン=ピエール・メルヴィル、オーギュスト・ル・ブルトン 撮影|アンリ・ドカエ 音楽|エディ・バークレー、ジャン・ボワイエ
出演|ロジェ・デュシェーヌ、イザベル・コーレイ、ダニエル・コーシー、ギイ・ドウコンブル
第二次世界大戦後間もないパリのモンマルトル。20年前に強盗事件を起こし前科のある初老のボブ。今は堅気で、大好きな賭博で身を立てているが、最近はすっかりツキに見放されていた。ある日ボブに耳よりな話が入り、昔の仲間を巻き込んで銀行強盗の計画を立て始めるが...。
暗黒街に生息する男たち、いわくありげな女たちの人生模様が、名カメラマン、アンリ・ドカエのモノクロ映像で鮮明に描かれる。メルヴィルが美術も手掛け、その美意識が細部まで息づいている。ジャン=リュック・ゴダールをはじめ多くの映画人に愛され度々リメイクもされている、ノワールの美学に彩られた初期の傑作。
5月24日(土) 12:00~13:40
5月25日(日) 16:30~18:10
-
-
■ Bプログラム(5月24日(土)14:30~/25日(日)10:00~)
①『海の沈黙』Le Silence de la mer
©1948 Gaumont
1947年/87分/フランス/モノクロ/BD
監督・脚本|ジャン=ピエール・メルヴィル 原作|ヴェルコール 撮影|アンリ・ドカエ 音楽|エドガー・ビショフ
出演|ハワード・ヴェルノン、ニコル・ステファーヌ、ジャン=マリ・ロバン
1941年、ドイツ占領下フランスの田舎町。自宅をドイツ軍将校ヴェルナーに宿として提供している家族。芸術家肌の将校は、フランス語を使い家族とコミュニケーションを計ろうとするが、家族は沈黙で抵抗し続ける。
戦時下で理想主義が挫折していくさまを端正な映像で表現した異色の心理劇。レジスタンス文学の最高峰といわれるヴェルコールの同名小説にメルヴィルが心を打たれ映画化した、長編デビュー作。光と影の対比を利用した撮影方法、音楽と演技の融合性など、すでに独自のスタイルを確立している。ジャン・コクトーに高く評価され、『恐るべき子供たち』と並びヌーヴェルヴァーグに多大な影響を与えた、歴史的秀作。
5月24日(土) 14:30~15:57
5月25日(日) 10:00~11:27
-
②『恐るべき子供たち』Les Enfants Terribles
1950年/105分/フランス/モノクロ/35ミリフィルム *PG12
監督|ジャン=ピエール・メルヴィル 脚色|ジャン・コクトー、ジャン=ピエール・メルヴィル
原作|ジャン・コクトー 撮影|アンリ・ドカエ
音楽|ヨハン・セバスチャン・バッハ、ヴィヴァルディ
衣装|クリスチャン・ディオール
出演|ニコール・ステファーヌ、エデゥアール・デルミット、ルネー・コジマ、ジャック・ベルナール
母を亡くし、ふたりきりになったエリザベートとポールの姉弟。ポールの友人ジェラールや、エリザベートのモデル仲間アガトがふたりの生活に入り込むなか、エリザベートを見初めた富豪が死亡。屋敷を受け継いだ彼女は、4人で共同生活を始める。
20世紀を代表するフランスの芸術家ジャン・コクトー原作の、危険な愛と戯れの物語。コクトーがメルヴィルの『海の沈黙』に感銘を受け、映画化を彼に依頼し作られた。ヌーヴェルヴァーグの先駆的役割を果たし、フランソワ・トリュフォーが「コクトー最高の小説が、メルヴィル最高の映画となった」と評した、映画史に輝く珠玉の作品。
5月24日(土) 16:10~17:55
5月25日(日) 11:40~13:25
-
プロフィール
ジャン=ピエール・メルヴィル Jean-Pierre Melville
1917年フランス・パリ生まれ。少年時代にアメリカ映画に心酔し、父親から贈られた16ミリで映画制作を始める。37年から仏軍に従軍し、ナチス・ドイツによるフランス占領時には抵抗運動に身を投じた。46年、組合などに所属せず独立して制作会社を立ち上げ、異例尽くしの方法で撮り上げた『海の沈黙』(49年)で長編監督デビュー。ジャン・コクトーの同名小説を映画化した『恐るべき子供たち』(50年)はヌーヴェルヴァーグの先駆けとなり、ジャン=リュック・ゴダールの初長編監督作『勝手にしやがれ』(60年)にはカメオ出演で登場した。ジャン=ポール・ベルモンド主演の『モラン神父』(61年)や『いぬ』(62年)、『ギャング』(66年)、アラン・ドロン主演の『サムライ』(67年)や『仁義』(70年)など、フィルム・ノワールの傑作を次々に世に送り出し、戦争大作『影の軍隊』(69年)では抵抗運動の経験を元に第2次大戦中の悲劇を描いた。14の作品を遺し、73年、心臓発作のため55歳でこの世を去った。