企画概要

ヨーロッパの3人の鬼才監督の作品を6作品厳選して上映します。
デンマークの過激な監督、ラース・フォン・トリアーの『奇跡の海』『ダンサー・イン・ザ・ダーク』、スペインの色彩溢れる監督、ペドロ・アルモドバルの『神経衰弱ぎりぎりの女たち』『パラレル・マザーズ』、イギリスの偏執的な監督、ピーター・グリーナウェイの『ＺＯＯ』『プロスペローの本』を是非この機会にご覧ください。

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上映作品（各プログラム入替制） ※ロビー開場は上映の30分前

■2024年5月25日(土)

Aプログラム　※2作品ご覧いただけます。各作品2回ずつ上映。
“ラース・フォン・トリアー監督作品”
10:00～12:38『奇跡の海』※R15＋（158分）
13:00～15:20『ダンサー・イン・ザ・ダーク』※PG12 （140分）
15:40～18:18『奇跡の海』※R15＋（158分）
18:30～20:50『ダンサー・イン・ザ・ダーク』※PG12（140分）

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■2024年5月26日(日)

Bプログラム
“ペドロ・アルモドバル監督作品”
10:00～11:28『神経衰弱ぎりぎりの女たち』（88分）
11:40～13:43『パラレル・マザーズ』※R15＋（123分）

Cプログラム
“ピーター・グリーナウェイ監督作品”
14:45～16:41『ＺＯＯ』 ※18歳以上の鑑賞を推奨（116分）
16:50～18:56『プロスペローの本』※18歳以上の鑑賞を推奨（126分）

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■ Aプログラム（5月25日(土)10:00～ 各作品2回ずつ上映）

①『奇跡の海』　Breaking the Waves　
1996年／158分／デンマーク他／カラー／DCP　 ※R15＋
監督：ラース・フォン・トリアー
出演：エミリー・ワトソン、ステラン・ステルスガルド、カトリン・カートリッジ他

1970年代イギリス・スコットランドの寒村が舞台。排他的な村で育ち信仰に厚い無垢な娘ベスは、よそ者である油田の労働者ヤンと結婚する。祝ってくれたのは義理の姉だけ。ベスは毎日ヤンの早期帰還を神に祈ると、ヤンは事故で半身不随となって帰ってきた。自分のせいだと感じたベスは、ヤンの理不尽な要望を満たそうとするが...。カンヌ国際映画祭グランプリ、アカデミー賞主演女優賞ノミネート他数々の映画賞を受賞し、監督の名前を不動のものとした傑作。スコットランドの美しい風景と音楽にも目を奪われる。

5月25日(土) 10:00～12:38
5月25日(土) 15:40～18:18

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②『ダンサー・イン・ザ・ダーク』Dancer in the Dark　
2000年／140分／デンマーク他／カラー／DCP　※PG12
監督：ラース・フォン・トリアー
出演：ビョーク、カトリーヌ・ドヌーヴ、デヴィッド・モース他

アメリカのチェコ移民女性セルマは一人息子と貧しい暮らしをしていた。二人とも目が悪く、セルマは息子の手術費用を蓄えていたが、金に困った隣人に金を盗まれる。ますます目が悪くなったセルマが金を取り返そうとする内に銃が暴発し隣人は死んでしまう。セルマは取り返した金を眼科医に預けるが殺人罪で捕まってしまう...。アイスランドの歌姫ビョークを主役に迎え、空想シーンをミュージカル仕立てにした不思議な味わいの感動作。カンヌ国際映画祭最高賞のパルムドール受賞。

5月25日(土) 13:00～15:20
5月25日(土) 18:30～20:50

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■ Bプログラム（5月26日(日)10:00～）

①『神経衰弱ぎりぎりの女たち』Mujeres al borde de un ataque de nervios　
1988年／88分／スペイン／カラー／ブルーレイ
監督：ペドロ・アルモドバル
出演：カルメン・マウラ、フェルナンド・ギリエン、アントニオ・バンデラス他

突然恋人に去られた女ペパを中心に、昔の恋人ルシア、ルシアの息子とその婚約者、テロリストの恋人を持つ女たちが巻き起こす大騒動を、ブラックユーモアたっぷりに描く。強烈な色彩の洪水、ひと目見たら忘れられない個性的な女優たち、陽気でもの悲しいラテン音楽が奏でる恋の狂想曲。アカデミー賞外国語映画賞ノミネートをはじめアルモドバルが世界に知られるきっかけとなった初期の傑作。

5月26日(日) 10:00～11:28

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②『パラレル・マザーズ』　Madres paralelas
2021年／123分／スペイン・フランス／カラー／DCP　※R15＋
監督：ペドロ・アルモドバル
出演：ペネロペ・クルス、ミレナ・スミット、イスラエル・エレハルデ他

同じ日に同じ病院で女の子を産んだ写真家のジャニスと17歳のアナ、二人の母親の数奇な運命をスペイン内戦も絡めて描く。ジャニスは元恋人から「自分の子供と思えない」と言われ、DNA検査を受けたところ実の子供ではないことが判明する。ジャニスは秘密を封印するが、1年後に偶然アナと再会する...。カラフルなファッションや色彩感覚は健在。ジャニスを演じたペネロペ・クルスがヴェネツィア国際映画祭で最優秀女優賞受賞。

5月26日(日) 11:40～13:43

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■ Cプログラム（5月26日(日)14:45～）

①『ZOO』 A Zed & Two Noughts
1985年／116分／イギリス／カラー／DCP　※18歳以上の鑑賞を推奨
監督：ピーター・グリーナウェイ　音楽：マイケル・ナイマン
出演：アンドレア・フェレオル、ブライアン・ディーコン、エリック・ディーコン他

ロッテルダムの動物園で働く双子の兄弟オズワルドとオリヴァー。ある日、白鳥とぶつかる交通事故で同時に妻を亡くしてしまう。事故を起こした車を運転していたアルバは助かるが片足を失ってしまう。事故後、二人は動物の腐敗の過程に興味を持ちはじめる。やがてアルバと親しくなり双子が生まれる。シンメトリーの構図とマイケル・ナイマンの旋律が印象的な鮮烈で美しい衝撃作。日本に初めて紹介されたグリーナウェイ監督作品。無修正。

5月26日(日) 14:45～16:41

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②『プロスペローの本』 Prospero's Book
1991年／126分／イギリス・フランス・イタリア／カラー／DCP　※18歳以上の鑑賞を推奨
監督：ピーター・グリーナウェイ　音楽：マイケル・ナイマン　衣装：ワダエミ
出演：ジョン・ギールグッド、マイケル・クラーク、ミシェル・ブラン、エルランド・ヨセフソン、ウテ・レンパー他

ミラノ大公プロスペローはナポリ王アロンゾーと弟アントーニオに国を追われ、娘ミランダと共に絶海の孤島に幽閉される。プロスペローは忠臣ゴンザローから24冊の魔法書を手に入れ復讐を始める...。シェークスピアの「テンペスト」を原案に、圧倒的なビジュアルで描く危険な歴史絵巻物。マイケル・クラークはじめ芸人や従者の全裸の饗宴が毒々しくも鮮やかな色彩で描かれる。衣装は日本を代表するデザイナーのワダエミ。無修正。

5月26日(日) 16:50～18:56

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ラース・フォン・トリアー　Lars von Trier

1956年コペンハーゲン生まれ。10代から映画を撮り始め、コペンハーゲン大学映画学科とデンマーク映画学校で学ぶ。卒業後の84年、長編デビュー作『エレメント・オブ・クライム』でカンヌ国際映画祭・フランス映画高等技術委員会賞を受賞した。96年に『奇跡の海』でカンヌ国際映画祭グランプリ、00年に『ダンサー・イン・ザ・ダーク』でカンヌ国際映画祭最高賞パルムドールを受賞。90年代に監督したTVドラマ『キングダム』シリーズも高く評価された。95年トマス・ビンターベア監督らとともに、手持ちカメラで撮影するなどの映画製作における10のルールを定めた映画運動「ドグマ95」を提唱。その後も『ドッグヴィル』（03年）、『アンチクライスト』（09年）『ニンフォマニアックVol.1＆Vol.2』(13年)などを発表。実験的で挑発的な作風は常に物議を醸している。

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ペドロ・アルモドバル　Pedro Almodovar

1949年スペイン、シウダー・レアル県生まれ。80年に自主制作した初の長編映画『ペピ、ルシ、ボンとその他大勢の娘たち』はカルト的人気を博した。その後も独特なストーリーと世界観、強烈な色彩感覚などから国内外で熱狂的なファンを獲得。7本目の『神経衰弱ぎりぎりの女たち』でヴェネツィア国際映画祭脚本賞を受賞、アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされるなど、世界に名を知られる存在となった。『ハイヒール』（91年）、『キカ』（93年）を経て『オール・アバウト・マイ・マザー』（99年）でアカデミー賞外国語映画賞をはじめ多数の賞を受賞。続く『トーク・トゥ・ハー』（02年）で、アカデミー賞脚本賞を受賞するなど、スペインを代表する映画監督の一人となった。以降も「抱擁のかけら」（09年）、「私が、生きる肌」（11年）、「ペイン・アンド・グローリー」（19年）など多くの作品を発表している。

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ピーター・グリーナウェイ　 Peter Greenaway

1942年イギリスのウェールズ、ニューポート生まれ。幼少期はアートに関心を持ち、ヨハネス・フェルメール等の絵画に魅せられ、画家を志す。一方で、映画への興味も強く、イングマール・ベルイマンの『第七の封印』等に夢中になる。80年にフェイクドキュメンタリー『ザ・フォールズ』で長編デビュー。82年に『英国式庭園殺人事件』を手掛け、88年に『数に溺れて』で第41回カンヌ国際映画祭芸術貢献賞を受賞、89年にジャンポール・ゴルチエが衣裳を担当した事で話題となった『コックと泥棒、その妻と愛人』で世界中を震撼させた。以降の作品に、『ピーター・グリーナウェイの枕草子』(96年)、『レンブラントの夜警』(07年)等がある。2014年に英国映画界への貢献を称えられ第67回英国アカデミー賞英国映画貢献賞を受賞。近年は、現代美術のアートディレクションを積極的に行っている。ダスティン・ホフマンが主演するイタリアの都市ルッカを舞台にした新作映画「Lucca Mortis(仮題)」を準備中。