企画概要

今年の夏の定期上映会は、奇想・空想・幻想映画の愉しみと題して、ドイツの国家的映画「ニーベルンゲン」、SF映画史上屈指の問題作「未来惑星ザルドス」、狂乱のセクシュアル・サスペンス「ベネデッタ」、東欧のダークなラブストーリー「ノベンバー」、サイレント時代末期に生まれた奇想天外な「チャーリー・バワーズ作品集」を上映します。

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上映作品（各プログラム入替制） ※開場は上映の30分前

8月19日（土）	8月20日（日）
【Aプログラム】 10:00～11:46 「未来惑星ザルドス」※PG12 12:00～14:11 「ベネデッタ」 ※R18＋	【Cプログラム】 10:00～11:46 「チャーリー・バワーズ」 12:00～13:55 「ノベンバー」
【Bプログラム】 15:00～17:28 「ニーベルンゲン 第1部」 －休憩20分－ 17:48～19:56 「ニーベルンゲン 第2部」	【Aプログラム】 15:00～16:46 「未来惑星ザルドス」※PG12 17:00～19:11 「ベネデッタ」 ※R18＋

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■ Aプログラム（8月19日(土)10:00～／20日(日)15:00～）

①「未来惑星ザルドス」Zardoz
1974年／106分／アメリカ・イギリス・アイルランド／カラー／DCP　　※PG12
脚本・製作・監督：ジョン・ブアマン
出演：ショーン・コネリー、シャーロット・ランプリング、セーラ・ケステルマン、ジョン・アルダートン

西暦2239年、人類は不老不死の社会を実現していた。特権階級の「永遠人」は外界から隔絶された透明ドームの中で暮らしていた。彼らは空飛ぶ巨大神像ザルドスを建立し、「撲滅戦士」を操って荒廃した外界に棲む「獣人」を殺戮していた。「撲滅戦士」のリーダー、ゼッドはザルドスに身を隠しドームに侵入する…。
公開時は全く評価されなかったと言われる、エロティックで独創的なビジョンに彩られたSF映画史上屈指の問題作。

8月19日（土）10:00～11:46
8月20日（日）15:00～16:46

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②「ベネデッタ」BENEDETTA　
2021年／131分／フランス・オランダ／カラー／DCP　※R18＋
監督：ポール・ヴァーホーベン／脚本：デヴィッド・バーク、ポール・ヴァーホーベン／原案：ジュディス・C・ブラウン『ルネサンス修道女物語―聖と性のミクロストリア』
出演：ヴィルジニー・エフィラ、ダフネ・パタキア、シャーロット・ランプリング、ランベール・ウィルソン

17世紀に実在した同性愛の修道女ベネデッタの数奇な運命を描く。ベネデッタは数々の「奇跡」を見せ修道院長に駆け上がる。しかし彼女は他の修道女と同性愛の関係にあった。ペストの流行もあり、ついに教皇の審問にかけられる…。
オランダ時代そしてハリウッドを通じ、数々の問題作を発表し続けているポール・ヴァ―ホーベン監督の最新作。才能、幻視、狂言、嘘、創造性を駆使して本物の権力を手にしたベネデッタを、バイオレンスと性的表現を駆使して描く衝撃作。

8月19日（土）12:00～14:11
8月20日（日）17:00～19:11

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■ Bプログラム（8月19日(土)15:00～）

「ニーベルンゲン」　DIE NIBELUNGEN　
第１部　ジークフリート SIEGFRIEDS TOD　
第２部　クリームヒルトの復讐　KRIEMHILDS RACHE
1923年／276分／ドイツ／白黒／サイレント・音楽付／ブルーレイ
監督：フリッツ・ラング　脚本：テア・フォン・ハルボウ、フリッツ・ラング
出演：パウル・リヒター、マーガレット・シェーン、ルードルフ・クライン＝ロッゲ、ルードルフ・リットナー

第1次世界大戦で敗れたドイツが民族的な精神を鼓舞するために作られた国民的映画にして、最初の大長編歴史絵巻。着想を得た「ニーベルンゲンの歌」は、ゲルマン民族の大移動に素材を得て13世紀に書かれた英雄叙事詩。
第1部「ジークフリート」は、ネーデルラントの王子ジークフリートが竜を退治し、その血を浴びて不死の体になるが、木の葉が背中に落ちてその部分が急所になる。ジークフリートはブルグント王国の王女クリームヒルトと結婚するが、国王の腹心ハーゲンに急所を知られ殺されてしまう。
第2部「クリームヒルトの復讐」は、フン族の王アッチラと再婚したクリームヒルトは復讐を誓い、ブルグントの人々をアッチラの宮殿に招待する。
巨大セットの様式美、造形美が見る者を圧倒する、サイレント映画屈指のスペクタクル巨編。波乱万丈の冒険譚と愛憎劇が壮麗かつスリリングに描かれる。

8月19日（土）15:00～19:56
15:00～17:28「ニーベルンゲン 第1部 ジークフリート」
　－休憩20分－
17:48～19:56「ニーベルンゲン 第2部 クリームヒルトの復讐」

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■ Cプログラム（8月20日(日)10:00～）

①「NOBODY KNOWS チャーリー・バワーズｰ発明中毒篇」 Charley Bowers
6作品｜計106分／アメリカ／白黒／サイレント・音楽付／ブルーレイ
監督・出演：チャーリー・バワーズ
＊日本上映用に新たに録音した伴奏音楽が入ったものを上映します。伴奏音楽：塩屋楽団 + Solla　短編アニメーション伴奏音楽：OTOWA-UNIT

「たまご割れすぎ問題」EGGED ON ／1926年／23分
「全自動レストラン」HE DONE HIS BEST／1926年／23分
「ほらふき倶楽部」NOW YOU TELL ONE／1926年／21分
「怪人現る」THERE IT IS／1928年／22分
「とても短い昼食」THE EXTRA-QUICK LUNCH／1918年／6分
「オトボケ脱走兵」A.W.O.L or ALL WRONG OLD LADDIEBUCK／1918年／6分

今から100年近く前のサイレント時代末期に生み落とされた、モダンでパンク、シュルレアリスティックでクレイジーなチャーリー・バワーズの作品たち。緻密なストップモーション・アニメーションと実写の融合が見せる奇想天外な映像世界に加え、喜劇王バスター・キートンのような憂愁とキートンをもしのぐ狂気は、見る者を驚かせ、笑わせ、時にはホラー映画のような恐怖さえ感じさせる。
100年の時を超えて突如甦ったチャーリー・バワーズのぶっ飛んだ世界を、是非目に焼き付けてください。

8月20日（日）10:00～11:46

公式サイト

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②「ノベンバー」 November
2017年／115分／ポーランド・オランダ・エストニア／白黒／DCP
監督・脚本／ライネル・サルネット
出演：レア・レスト、ヨルゲン・リーク、ディータ―・ラーザー

11月に“死者の日”を迎えるエストニアの寒村が舞台の東欧ダーク・ラブストーリー。農夫の娘リーナは青年ハンスに想いを寄せている。一方ハンスは領主のドイツ人の男爵のミステリアスな娘に恋焦がれ悪魔と契約を結んでしまう...。
冒頭から、エストニアの神話に登場する農機具などで作られた異形の怪生物「クラット」が登場し、一気に神話的世界に引き込まれてゆく。甦る死者たち、十字路に現れる悪魔、月夜に変身する少女などの物語が、フォークロア、ゴシック、ロマンス、哀愁に彩られながらモノクロームの美しい映像美でシュールに描かれる怪奇幻想映画の傑作。

8月20日（日）12:00～13:55