PERFORMANCE & FILM 舞台芸術 & 映画
終了しました
特別上映会
松本俊夫映画祭
JEANS FACTORY ART AWARD 協賛企画
日本における映像表現の先駆者の映像上映と講演会
2008年08月21日[木] - 2008年08月23日[土]
上映日:2008年8月21日(木)23日(土)
会場:高知県立美術館ホール
入場料:前売1日券1,000円/当日1日券1,200円
身体障害者手帳・療育手帳・障害者手帳・戦傷病者手帳・被爆者健康手帳所持者とその介護者(1名)は3割引です。割引料金前売700円/当日840円*身体障害者割引前売券については、高知県立美術館ミュージアムショップ、高知県立県民文化ホールで取り扱います。*koMPal会員は当日でも前売料金でご覧になれます。KoMPal「映画上映会引き換え券」をご使用いただけます。
主催:高知県立美術館
共催:JEANS FACTORY
後援:NHK高知放送局・高知新聞社・RKC高知放送・KUTVテレビ高知・エフエム高知・KSSさんさんテレビ・KCB高知ケーブルテレビ・高知シティFM放送
作品提供:イメージフォーラム、松本俊夫、東京放送、自由工房
写真提供:松本俊夫、イメージフォーラム
日本の前衛的記録映画、実験映画、マルチ映像、ビデオアートなど50年代から活動を続ける日本の映像表現における草分け的な映像作家、松本俊夫氏の特集上映会を行います。
松本俊夫氏は、1932年に名古屋市に生まれました。50年に東京大学に入学。最初は、医学コースでしたが、画家志望でもあり、後に文学部美学美術史学科に転じ、卒業と同時に新理研映画に入社。助監督としてついた「銀輪」(55年)の特撮を担当したのち、記録映画「潜凾」(56年)を初演出。新理研映画を退社後、「春を呼ぶ子ら」(59年)「安保条約」(59年)などの記録映画を監督し、その一方「記録映画」や第一次「映画批評」誌上でアヴァンギャルドとドキュメンタリーの統一を目指した多彩な理論活動は、当時の松竹ヌーヴェル・ヴァーグなどにも影響を与えました。
「石の詩」(63年)などの映画詩、3台の16ミリ映写機を使い、日本で初めてマルチ投影方式で上映された「つぶれかかった右眼のために」(68年)などの実験的短編映画、「モナリザ」(73年)などのビデオアート「薔薇の葬列」(69年)などの劇映画など数多くの作品を発表し、その映像表現はジャンルを超えて行われ、常に日本の映像界をリードし大きな影響を与えてきました。今回JEANS FACTORY ART AWARD 協賛企画として松本氏の映像上映と特別講演会を開催します。今回の特別上映会で映像表現の可能性を再発見しませんか。
松本俊夫氏は、1932年に名古屋市に生まれました。50年に東京大学に入学。最初は、医学コースでしたが、画家志望でもあり、後に文学部美学美術史学科に転じ、卒業と同時に新理研映画に入社。助監督としてついた「銀輪」(55年)の特撮を担当したのち、記録映画「潜凾」(56年)を初演出。新理研映画を退社後、「春を呼ぶ子ら」(59年)「安保条約」(59年)などの記録映画を監督し、その一方「記録映画」や第一次「映画批評」誌上でアヴァンギャルドとドキュメンタリーの統一を目指した多彩な理論活動は、当時の松竹ヌーヴェル・ヴァーグなどにも影響を与えました。
「石の詩」(63年)などの映画詩、3台の16ミリ映写機を使い、日本で初めてマルチ投影方式で上映された「つぶれかかった右眼のために」(68年)などの実験的短編映画、「モナリザ」(73年)などのビデオアート「薔薇の葬列」(69年)などの劇映画など数多くの作品を発表し、その映像表現はジャンルを超えて行われ、常に日本の映像界をリードし大きな影響を与えてきました。今回JEANS FACTORY ART AWARD 協賛企画として松本氏の映像上映と特別講演会を開催します。今回の特別上映会で映像表現の可能性を再発見しませんか。
上映作品
松本俊夫氏講演会「映像表現の実験~境界線を巡って~」
「薔薇の葬列」
(107分/1969/モノクロ/35ミリ)
監督・脚本:松本俊夫、撮影:鈴木達夫、美術:朝倉摂音楽:湯浅譲二
出演:ピーター、土屋嘉男、東恵美子
1969年にATG(日本アートシアターギルド)と提携して製作した劇映画第1作。ギリシアのエディプス神話をもとに、舞台を現在に移し、ゲイボーイの世界、フーテン、ヒッピー、マリファナ、学生運動といった“昭和元禄”と呼ばれた当時の風俗と世俗を大胆に取り入れ、過激とも思えるさまざまな実験映画的手法を使用し描いている。また16歳の新人ピーターがこの映画の主役に抜擢され、妖しい美しさを放っている。
(107分/1969/モノクロ/35ミリ)
監督・脚本:松本俊夫、撮影:鈴木達夫、美術:朝倉摂音楽:湯浅譲二
出演:ピーター、土屋嘉男、東恵美子
1969年にATG(日本アートシアターギルド)と提携して製作した劇映画第1作。ギリシアのエディプス神話をもとに、舞台を現在に移し、ゲイボーイの世界、フーテン、ヒッピー、マリファナ、学生運動といった“昭和元禄”と呼ばれた当時の風俗と世俗を大胆に取り入れ、過激とも思えるさまざまな実験映画的手法を使用し描いている。また16歳の新人ピーターがこの映画の主役に抜擢され、妖しい美しさを放っている。
「西陣」
(26分/1961/35ミリ)
当時京都でユニークな活動を展開していた記録映画の鑑賞組織が、日本で初めて芸術運動として映画の自主製作をプロデュースした作品で、西陣や西陣織についての観光映画や産業PR映画をねらった物ではなく、短い機織りのショットなどを多用し、閉塞した空間の窮屈に、安保挫折後の空洞感や不在感をダブル・イメージした作品。
当時京都でユニークな活動を展開していた記録映画の鑑賞組織が、日本で初めて芸術運動として映画の自主製作をプロデュースした作品で、西陣や西陣織についての観光映画や産業PR映画をねらった物ではなく、短い機織りのショットなどを多用し、閉塞した空間の窮屈に、安保挫折後の空洞感や不在感をダブル・イメージした作品。
「石の詩」
(25分/1963/16ミリ)
「ライフ」のカメラマンのアーネスト・サトウが香川の石切り場で撮ってきた数百枚の写真をもとに映画を構成している。ドキュメンタリー番組から委嘱され、ゴー・サインが出てから、オン・エアまでわずか10日くらいしかなく、3日間でグラフ・コンテを描きあげ、出来た順に撮影とサウンドの作業を平行して作られ、作品が完成したのはオン・エア1時間前だったという作品。
「ライフ」のカメラマンのアーネスト・サトウが香川の石切り場で撮ってきた数百枚の写真をもとに映画を構成している。ドキュメンタリー番組から委嘱され、ゴー・サインが出てから、オン・エアまでわずか10日くらいしかなく、3日間でグラフ・コンテを描きあげ、出来た順に撮影とサウンドの作業を平行して作られ、作品が完成したのはオン・エア1時間前だったという作品。
「母たち」
(36分/1967/35ミリ/DVD版上映)
作る作品が難解と言われ、「石の詩」以降、映画・テレビ業界から仕事を干され、映像作品をほぼ3年半手がけるチャンスがなかったが、映画復帰のきっかけを作ってくれた作品。アメリカ、パリ、ヴェトナム、アフリカのガーナの4ヶ国を、4人のスタッフとともに40日間で脚本無しの即興的に撮影したものに、寺山修司の詩、湯浅譲二の音楽が加わり、密度の高い詩情を醸し出し、第18回ヴェネチア国際記録映画祭でサン・マルコ金獅子賞などを受賞した。
作る作品が難解と言われ、「石の詩」以降、映画・テレビ業界から仕事を干され、映像作品をほぼ3年半手がけるチャンスがなかったが、映画復帰のきっかけを作ってくれた作品。アメリカ、パリ、ヴェトナム、アフリカのガーナの4ヶ国を、4人のスタッフとともに40日間で脚本無しの即興的に撮影したものに、寺山修司の詩、湯浅譲二の音楽が加わり、密度の高い詩情を醸し出し、第18回ヴェネチア国際記録映画祭でサン・マルコ金獅子賞などを受賞した。
実験映画集Ⅰ
「つぶれかかった右眼のために」(13分/1968/16ミリマルチ上映)
今回3台の16ミリ映写機を使用し、オリジナルと同じ方法で特別上映。
「エクスタシス」(10分/1969/35ミリ)
「メタシタシス 新陳代謝」(8分/1971/16ミリ)
「エクスパンション 拡張」(14分/1972/16ミリ)
「モナリザ」(3分/1973/16ミリ)
「アンディ・ウォーホル:複々製」(23分/1974/16ミリ)
「ファントム 幻妄」(10分/1975/16ミリ)
「修羅」
(134分/1971/パートカラー/35ミリ)
監督・脚本:松本俊夫 原作:鶴屋南北、石沢秀二 撮影:鈴木達夫 美術:朝倉摂
出演:中村賀津雄、三条泰子、唐十郎
70年安保闘争の挫折と、それを境に60年代の政治的・文化的高揚感が落ち込んだ後、歴史の情動を再生可能な記憶にとどめようとして、鶴屋南北の歌舞伎狂言「盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)」をもとにして作られた、劇映画第2作。前作「薔薇の葬列」とは対照的になるように作られた作品で、演技達者なプロの俳優を使って、スタジオで撮影を行い、重厚な長回しで禁欲的ですらある正攻法の演出に徹した作品。
監督・脚本:松本俊夫 原作:鶴屋南北、石沢秀二 撮影:鈴木達夫 美術:朝倉摂
出演:中村賀津雄、三条泰子、唐十郎
70年安保闘争の挫折と、それを境に60年代の政治的・文化的高揚感が落ち込んだ後、歴史の情動を再生可能な記憶にとどめようとして、鶴屋南北の歌舞伎狂言「盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)」をもとにして作られた、劇映画第2作。前作「薔薇の葬列」とは対照的になるように作られた作品で、演技達者なプロの俳優を使って、スタジオで撮影を行い、重厚な長回しで禁欲的ですらある正攻法の演出に徹した作品。
実験映画集Ⅱ
「色即是空」(8分/1975/16ミリ)
「アートマン」(11分/1975/16ミリ)
「エニグマ 謎」(3分/1978/16ミリ)
「ホワイトホール」(7分/1979/16ミリ)
「コネクション」(10分/1981/16ミリ)
「リレーション 関係」(10分/1982/16ミリ)
「シフト」(9分/1982/16ミリ)
「エングラム 記憶痕跡」(13分/1987/16ミリ)
「ディシミュレーション 偽装」(20分/1991/ビデオ/DVD版上映)
「アートマン」(11分/1975/16ミリ)
「エニグマ 謎」(3分/1978/16ミリ)
「ホワイトホール」(7分/1979/16ミリ)
「コネクション」(10分/1981/16ミリ)
「リレーション 関係」(10分/1982/16ミリ)
「シフト」(9分/1982/16ミリ)
「エングラム 記憶痕跡」(13分/1987/16ミリ)
「ディシミュレーション 偽装」(20分/1991/ビデオ/DVD版上映)
松本俊夫 Toshio Matsumoto
1932年、愛知県名古屋市生れ。東京大学文学部美学美術史学科卒業。新理研映画で記録映画『潜凾』(56)を初演出、退社後「記録映画」「映画批評」等の雑誌で映画理論家として活動しつつ、『安保条約』(59)、『西陣』(61)、『石の詩』(63)、等のドキュメンタリー映画を手がける。68年には『薔薇の葬列』で劇映画に進出、つづいて『修羅』(71)、『十六歳の戦争』(73、公開は76年)、そして夢野久作の同題探偵小説を映画化した『ドグラ・マグラ』(88)等の劇映画作品を監督した。一方、『メタスタシス=新陳代謝』(71)、『アートマン』(75)、『気 Breathing』(80)、『偽装 ディシミュレーション』(92)等の斬新な実験映画で、日本の代表的な実験映画作家の一人と目されている。また、現在は日本大学芸術学部大学院で客員教授として後進の指導にも当たっている。著書に『映像の発見』、『映像の探求』(三一書房)、『幻視の美学』(フィルムアート社)他がある。
JEANS FACTORY ART AWARD
ジーンズファクトリーは株式会社インターナカツ(本社:高知)が経営し、高知・香川・岡山・広島の4県で展開、アートをコミュニケーション・ディバイスとして積極的に取り入れている郊外型セレクトカジュアルショップです。 本アワードは地方からの文化の発信を目的に、2003年よりこの4県から作品を募集、毎年開催しておりましたが、更なる発展を目指し2006年より全国募集、ビエンナーレ(隔年開催)として、今回2008年は、その第2回目の開催となります。
http://artjeansfactory.net/