PERFORMANCE & FILM 舞台芸術 & 映画

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夏の定期上映会 幻想の魔術師
カレル・ゼマン 夢と冒険のアニメ特集

2004年08月12日[木] - 2004年08月14日[土]

上映日:2004年8月12日(木)~14日(土)

場所:高知県立美術館ホール

料金:各プログラム前売券800円/当日券1,000円

4回回数券2,500円/小学生500円(当日券のみ)

主催:高知県立美術館(高知県文化財団)

後援:高知県教育委員会・高知市教育委員会・NHK高知放送局・高知新聞社・RKC高知放送・KUTVテレビ高知・エフエム高知・KSSさんさんテレビ

協賛:アサヒビール株式会社
(当ホール事業はアサヒビール株式会社より年間助成を受けています)

フィルム提供:日本スカイウェイ、ケイブルホーグ

①プログラム
「クリスマスの夢」
(45年/7分/白黒)
少女は古い人形が大好きだったが、クリスマスの朝、真新しいおもちゃのプレゼントに夢中になる。夜、投げ捨てられた古い人形は命を吹き込まれ、部屋の中をダンスしたりおどけたりと女の子の心を取り戻そうとする・・・。愛らしい人形と少女を詩的なテーマに共演させ、カンヌ映画祭で絶賛され動画部門グランプリを受賞したゼマンのアニメ処女作。

「プロコウク氏映画製作の巻」
(47年/8分/白黒)
ちょっとおっちょこちょいだけど、憎めないプロコウク氏が映画製作に猪突猛進!自分を助けない人々を巧みに批判するプロコウク氏は「広告掲示板」「官僚制」「役に立たない発明」などを笑いものにしていく。痛烈な皮肉で社会を風刺するサイレント喜劇風スラップスティック短編人形映画シリーズの初期の1本。

「水玉の幻想」
(48年/12分/カラー)
一滴の水玉の幻想世界にガラスの少女が華麗に舞い、たんぽぽの綿毛のピエロが彼女に恋をする。水玉に始り、水玉に終わる小さな恋の物語。ボヘミアのガラス工芸を生かしたガラス細工の美しさ。透明感と瑞々しさに満ちた詩情溢れる幻想的ポエジーの世界を描いたチェコアニメ史に輝く傑作。

「王様の耳はロバの耳」
(50年/28分/カラー)
王様がロバの耳を持っていることは、誰も知ってはならない秘密。ある日、王様の散髪のために、町の散髪屋が選ばれて・・・。有名な童話を元に、散髪屋の娘を始め、ゼマンがとぼけたキャラクターを駆使して、ユーモラスかつ風刺たっぷりに描いた作品。
 
「カレル・ゼマンと子供たち」
(81年/17分/カラー)
ゼマンの70歳の誕生日を記念するドキュメンタリー短編映画。彼は30年以上にわたって、子供たちを魅了するファンタジー映画を製作し続けた。偉大なるフィルムメイカーの創造性に溢れた夢の世界を覗けるこの作品は、トリックフィルムの製作秘話、仕掛け、特殊効果技法などが説明され、ゼマンとその作品の制作の場を見学できる貴重な作品。

「前世紀探検」
(55年/93分/カラー)
ボートに乗った4人の少年が、時間の川を上りながら古代を冒険。アパトサウルス、ティラノサウルス、そして恐竜バトル、空には翼竜や始祖鳥が飛び回る。コマ撮り、切り紙アニメや模型、ぬいぐるみに実在の動物をうまく組み合わせて効果的に映像化。「ジュラシック・パーク」の先駆ともいうべき恐竜映画史に残るSFトリックフィルムの傑作。

②プログラム
「鳥の島の財宝」
(52年/68分/カラー)
美しい小さな島では、みんなが平和に暮らしていた。ある日、島に突然黄金がもたらされ、島民は争ったり、憎しみ合うようになる・・・。古いペルシアのおとぎ話を元にして伝統的なペルシア細密画のスタイルで描こうと作られた “大人の絵本”とも言うべきゼマン初の長編アニメーション。

「盗まれた飛行船」
(66年/90分/カラー)
ジュール・ヴェルヌの代表作「神秘島」の特撮映画化。気球に飛行船、潜水艦ノーチラス号とネモ船長の秘密が解き明かされる奇想天外さ。実写に書き割り&謎のアニメーションが合わさる。モノクロの映像を時にセピア調、時に赤みがからせグラデーションにし、感情の変化で色を変化させたり、ノスタルジックな雰囲気を演出。紙芝居のような童心溢れる作品として人気のある中期傑作。

③プログラム
「狂気のクロニクル」
(64年/82分/白黒ー)
ドイツを舞台にヨーロッパ諸国を巻き込んだ30年戦争を描いた作品。恋人と共に囚われの身となった農夫ピーターの運命を追いながら、戦争の愚かさを皮肉るアニメと実写の合成作品。劇中のキュートな天使をはじめ、シュールなアニメ・シーン、重いテーマをユーモラスなまなざしで見つめ、当時のチェコスロヴァキアでの抑圧体制の中で、常に批判精神を忘れなかったゼマンの遊び心溢れる長編。

「シンドバッドの冒険」
(74年/94分/カラー)
船乗りシンドバッドは大海原を旅し、異国を訪ねる途中で数々の驚きに出会う。「アラビアンナイト」の主人公のひとりシンドバッドの冒険旅行を切り紙アニメで描き、極彩色豊かなエキゾチックな映像、ゼマンのユーモアと奇想が楽しい7つの短編からなる作品。

④プログラム
「彗星に乗って」
(70年/74分/カラー)
「盗まれた飛行船」に続くヴェルヌ原作SFの映画化。なぞの彗星が地球に急接近、大地震とともに、町がまるごと彗星に吸い上げられてしまう・・・。アラビアンナイトと宇宙SFが組み合わさったような視覚効果や、ゼマンの色彩方術が冴えるファンタスティック・アドベンチャー。

「クラバート」
(77年/73分/カラー)
 ドイツ地方に伝わる伝説を元に、魔法使いの親方に戦いを挑む少年の物語。チェコ生まれのドイツ人作家プロイスラーがクラバート伝説を下敷きにした児童文学の傑作を、抑えた色彩とダークなキャラクターで映像化。ゼマンの代表作のひとつであるばかりでなく、世界のアニメーション映画に残る晩年の傑作。

「ホンジークとマジェンカ」
(80年66分/カラー)
世界を旅するホンジークを導くのは、3人の妖精。立ちはだかる障害を魔法で切り抜けたり、助言を与えたりする。ある日、ホンジークは妖精マジェンカに出会い、恋に落ちる。しかし、2人の愛を試す苦難が次々と襲いかかる・・・。本作は、“真実の愛”と“戦争のない生活“を望む祈りにも似た作品。口ずさみたくなる牧歌的音楽とロマンス。切り紙アニメで描くゼマン最後の長編。

カレル・ゼマン 

1911年チェコ生まれ。第1次大戦後、渡仏し、様々な職を経験する。その後チェコアニメ発祥地ズーリン市の映画スタジオに就職し、ティールロヴァーらと知り合い、「クリスマスの夢」を製作する。終戦後スタジオの地下に自らのアニメーションスタジオを築き、後にシリーズとなった「プロコウクさん」シリーズを撮る。また人形アニメだけではなくガラスで出来た人形作品「水玉の幻想」、ヴェルヌに触発され新表現手段を用いて大ヒットしたSF映画「悪魔の発明」、コマ撮りと実写を合わせた「前世紀探検」などチェコならではのユーモアと斬新なアイデアの特撮技術は世界中の観客を驚かせた。晩年は切り絵アニメの「クラバート」などを製作し、その作品群はヴェネチア国際映画祭・青年少女部門大賞やカンヌ青年映画の集い・長編映画大賞など数多くの賞に輝いている。89年逝去。

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