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夏の定期上映会 ロシア・クラシック&ユーロ・ファンタスティック アニメコレクション 「アニメーションってすごいんだよ!」

2001年08月18日[土] - 2018年08月19日[日]

上映日:2001年8月18日(土)、19日(日)

会場:高知県立美術館ホール

入場料:前売1日800円/当日1日1,000

※身体障害者等割引料金 前売1日560円/当日1日700円
(身障者手帳、療育手帳、障害者手帳所持者とその介護者1名)

主催:高知県立美術館

後援:予定〉高知新聞社、RKC高知放送、KUTVテレビ高知、NHK高知放送局、エフエム高知、KSSさんさんテレビ

フィルム提供:「ロシア・アニメ映画祭2000」実行委員会 、ザジフィルムズ、ケイブルホーグ、プチグラパブリッシング

協力:(財)国際文化交流推進協会(エース・ジャパン)

助成:日本芸術文化振興会 地域芸術文化活性化事業(文化のまちづくり事業)

今年の夏の定期上映会は、2日間開催します。
1日目は、世界のアニメーション映画史に確固とした足跡を残すロシア・アニメを特集。1910年代~30年代製作の作品を中心に、名作といわれる「イワンのこうま」、世界の巨匠ユーリー・ノルシュテインの作品を上映します。
2日目は、幻想的で時にグロテスクな世界を描いたアニメーション作品を上映。チェコのシュヴァンクマイエル、イギリスのボーズウィック、『ファンタスティック・プラネット』で一躍その名を世界に知らしめたフランスのルネ・ラルー、“ベルギー・アニメーションの父”ラウル・セルヴェ。彼らが作り出すいずれ劣らぬ不思議ワールドをお楽しみください。

上映作品解説

■2001年8月18日(土)

①午前10時
「イワンのこうま」
イワン・イワノフ=ワノー監督(1947年、60分、カラー)
実直に、自然に身を寄せて生きるイワンは、畑を荒らす雌馬を捕まえ、その解放と引き換えに見事な馬2頭と不思議なこうまを贈られる。こうまの助けでイワンは難題を克服していく。公開当時日本のアニメファンを驚かせた、色彩と光が満ち溢れた作品。

②午前11時10分 
ユーリー・ノルシュテイン作品集(83分)

「25日、最初の日」
U・ノルシュテイン、A・チューリン監督(1968年、10分、カラー) 
ロシア十月革命の最初の日(旧暦1917年10月25日)を描いたノルシュテイン監督のデビュー作。ロシア・アヴァンギャルドの作品の数々をコラージュし、革命の熱気、理念を伝える。
「ケルジェネツの戦い」
U・ノルシュテイン、イワン・イワノフ=ワノー監督、(1971年、10分、カラー)
中世ロシアのイコンや細密画を動かして、13世紀半ば、ロシアを襲ったタタール・モンゴルとの戦いと、やがて訪れる平和な日々を描く。

「キツネとウサギ」
(1973年、12分、カラー)
春になって、住んでいた氷の家が溶けてしまったキツネは、ウサギを追い出し、その樹皮の家を乗っ取った。森の仲間たちが次々にキツネを追い出そうとするが……。ロシア民話をもとにした明るくきれいな作品。

「アオサギとツル」
(1974年、11分、カラー)
惹かれ合いつつも、顔を合わせるとなぜか口論になってしまい、互いの住みかを行きつ戻りつしつづける不器用な二人。ロシア民話からチェーホフ的空間が展開する秀作。

「霧のなかのハリネズミ」
(1975年、10分、カラー)
夕方ハリネズミはなかよしのコグマの家に向かう。立ちこめる濃い霧の中へ入っていくハリネズミ。そこでさまざまなことに出会う。美しい情景描写に観る者も霧の中に引き込まれる傑作。

「話の話」
(1979年、30分、カラー)
子供時代の記憶の断片。すこやかな家族の平和な団欒。牛と縄跳びをする少女。あやされる赤ん坊。戦争の影……。さまざまな出来事、感覚、響きで綴る映像詩。ノルシュテインアニメの最高傑作。

③午後2時
ロシア・人形アニメ特集(108分)

「カメラマンの復讐」
ヴワディスワフ・スタレーヴィチ監督(1912年、10分、モノクロ)※サイレント
カブトムシの夫とトンボ嬢の一部始終をフィルムに収めるキリギリスのカメラマン。一方カブトムシの妻は、恋人の画家を家に連れ込む。ロシア最初期の人形アニメ。スタレーヴィチ監督は、世界初の人形アニメを製作した帝政ロシア時代の第一人者。

「アリとキリギリス」
ヴワディスワフ・スタレーヴィチ監督(1913年、5分、モノクロ)※サイレント
夏の間、愉快に遊び暮らすキリギリスと、せっせと働くアリたち。スタレーヴィッチのリアルな人形の動きで語られる、おなじみイソップ寓話。

「ベルギーの百合」
ヴワディスワフ・スタレーヴィチ監督(1915年、15分、モノクロ)※サイレント
清流のほとりに咲くユリを囲み、虫やカエルたちが平和に暮らしていた。しかしそこへ領土拡大をもくろむカミキリムシが、ユリを踏みにじり前進してきた。第一次世界大戦初期、ドイツがベルギーの中立を無視して侵入した事件を元にしている。

「新ガリヴァー」
アレクサンドル・プトゥシコ監督(1936年、78分、モノクロ)
少年ペーチャはキャンプで『ガリバー旅行記』の本を賞品にもらう。その本の朗読に耳を傾けるうちに、ペーチャは物語の世界へ迷い込む……。1500体以上の人形を駆使したアニメと実写の合成大作!

④午後3時55分  
ロシア・戦前アニメ特集(85分)

「惑星間革命」
ゼノン・コミッサレンコ、ユーリー・メルクーロフ、ニコライ・ホダターエフ監督(1924年、10分、モノクロ)※サイレント
革命が進む地球で居場所を失ったブルジョワたちは、火星へ逃げ出す。彼らを追ったコミンテルン革命軍は、ついに火星でも革命を達成する。ロシア・アヴァンギャルド芸術のデザインを取り入れるなど、時代の証言として貴重な作品。

「ソビエトのおもちゃ」
ジガ・ヴェルトフ監督(1924年、14分、モノクロ)※サイレント
『カメラを持った男』のヴェルトフによるソ連初のアニメ映画。当時の政治ポスターの漫画をアニメ化。ごちそうが並ぶ食卓。ブルジョワは舌なめずりしながら、かぶりつく。

「スケート」
ユーリー・ジェリャーブシスキー監督(1927年、9分、モノクロ)※サイレント
大人たちが休日を楽しんでいるスケート場。少年は柵の外からその情景をのぞき、自分もスケートをしたくてしょうがなくなる……。素朴だが、スケートのスピード感と楽しさが伝わってくる、ソ連アニメ初期の秀作。

「中国っ子の冒険」
M・V・ベンデルスカヤ、S・A・ベンデルスキー監督(1928年、28分、モノクロ)※サイレント
上海の貧しい苦力(クーリー)の家に生まれたリププとリカヤの兄妹。二人は貧しいものが自由になれる国を求めて旅に出る。記録映像も交えながら、中国革命への期待をにじませるプロパガンダ作品。

「郵便」
ミハイル・ツェハノフスキー監督(1929年、24分、モノクロ)※サイレント
レニングラード市内へ出した手紙が、あて先の人物が旅に出たのを追いかけて、世界一周する。ロシアの有名な詩人であり児童文学者マルシャークの詩と、もともとデザイナーとして子どもの本の挿絵などを描いていたツェハノフスキーの映像が心地よいリズムを生み出すおしゃれな秀作。

⑤午後5時5分 
ロシア・短編アニメ特集(71分)

「スイカ泥棒」
アレクサンドル・イワノーフ、パンテレイモン・サゾーノフ監督(1934年、10分、モノクロ)
コルホーズでスイカ泥棒が出たとの知らせを受けたワーシャと“友だち”は、泥棒退治に駆けつける。“友だち”がスイカに化けておとり捜査を行うが……。漫画と手書き音声を組み合わせた作品。

「オルゴール」
ニコライ・ホダターエフ監督(1934年、21分、モノクロ)
愚者の町の新市長に選ばれたのは、誰よりも声が通る少将だった。彼は「人間の頭脳にも匹敵する完璧なメカニズム」であるオルゴールを頭に仕込まれたが……。支配者の腐敗と堕落を描く。

「皇帝ドゥランダイ」
イワン・イワノフ=ワノー、ワレンチナ・ブルムベルグ、ジナイーダ・ブルムベルグ監督(1934年、21分、モノクロ)
「恐怖」の皇帝ドゥランダイは、「美人」女帝テチョーハを嫁にするべく、力持ちの鍛冶屋シーラの助けを借りながら3つの難題を解決するが……。残念ながら、現存するプリントは最後の巻が欠落しているが、民話風の荒唐無稽な物語。

「バザール」
ミハイル・ツェハノフスキー監督(1936年、4分、モノクロ)
ショスタコーヴィチの音楽にのって怪しげな物売りが次々に登場、さわがしく猥雑なバザールの光景が展開する。グロテスクな絵と音楽が迫力。

「おろかな子ネズミ」
ミハイル・ツェハノフスキー監督(1940年、15分、カラー)
眠れない子ネズミのため、母ネズミは隣近所のいろいろな動物に子守唄を頼むが、効き目がなく……。カラー時代初期の独特の色彩が新鮮。動物たちの特徴がよく描かれ、音楽も作曲家ショスタコーヴィッチが彼らの声の特質を見事に生かしている。

■2001年8月19日(日)

①午前10時
「アリス」
ヤン・シュヴァンクマイエル監督(1988年、スイス+西ドイツ+英国合作、84分、カラー)
部屋で少女アリスが遊んでいると、ガラスケースの中の白ウサギが突然動きだし、慌てて駆け出していった。アリスは驚きながらも追いかける。するとアリスは、インキやクッキーを食べて大きくなったり小さくなったり、自分の流した涙で溺れそうになってしまったり、次々と不思議な出来事に遭遇するのだった。三年の歳月をかけて作り上げた、シュヴァンクマイエル監督の初長編作品。

②午前11時35分
「親指トムの奇妙な冒険」
デイヴ・ボースウィック監督(1993年、英国、60分、カラー)
ダーク・シティで暮らす夫婦の間に、突然親指ほどの息子トムが生まれる。夫婦は大切にトムを育てるが、彼の誕生を知った何者かに不思議な実験ラボへ連れ去られてしまう。そこには人為的に合成された奇妙な動物や、肉体を分断され生存装置によって生かされた人間たちが集められていた。世界各国で絶賛された、人形と実写の複合アニメ。1994年英アカデミー賞最優秀短編映画賞受賞。

③午後2時  
「時の支配者」
ルネ・ラルー監督(1980年、フランス、78分、カラー)
父クロードと死に別れ、ピエール坊やはたったひとり、ペルディド星にとり残されてしまう。死のまぎわ父から渡された通信マイクを通して、宇宙船に乗っている父の友人ジャファールから「迎えに行くからそこで待つんだよ」と言われるピエールだが……。動画7万枚と3年の歳月をかけ制作された、現代ヨーロッパを代表するルネ・ラルー監督が描く、果てしない冒険アニメーションの傑作。

④午後3時30分
「ガンダーラ」
ルネ・ラルー監督(1987年、フランス、83分、カラー)
平和と悦楽の未来都市“ガンダーラ”を襲う謎の機械集団メタルマン。古代より伝わる予言通り、ガンダーラは滅び、劫火のなかに姿を消そうとしていた。その時一人の若者シルヴァンが立ち上がった。彼はガンダーラを救う唯一の鍵である「1000年後にガンダーラは破壊され、1000年前に救われる」という“予言”に隠された秘密を追って、時空を越えた闘いへと旅立つ。

⑤午後5時05分
ラウル・セルヴェの世界(47分30秒、ベルギー)

「ハーピア」
(1979年、9分、カラー、35ミリ)
ミスター・オスカーは被害者を噴水に溺れさせようとしていた暴漢に打ち勝った。しかし驚いたことに、彼が助けたのはハーピア〈女性の頭と鳥の身体を持つ、飢えた不浄の怪物〉であった。彼は親切心から、その神話上の創造物を家に連れて帰り泊めるのだが……。1979年カンヌ国際映画祭短編部門パルムドール受賞。

「クロモフォビア」
(1966年、10分、カラー、35ミリ)
カラフルで美しかった街に、真っ黒で全体主義的な軍隊がやってきた。彼らが通り過ぎると全ての色が消えていき、暗黒のファシズムが世界を支配する。しかし、一人の小さな少女が1本の赤い花から道化師を育てると、素敵なレジスタンスが始まった。キュートなヴィジュアルに反骨精神を埋め込んだ傑作。1966年ベルギー映画アニメーション映画祭最優秀賞受賞。

「人魚」
(1968年、9分30秒、カラー、35ミリ)
巨大で攻撃的な生きるクレーンと、翼のある太古の動物が空高く舞う不安で恐ろしい時代錯誤的な港。この港で唯一生きながらえている漁師は、ある時不思議なものを見る。それは、沖合に停泊している船に乗った少年の笛の音に誘われるように現れた、美しい人魚だった。救いと自由への希望を運んでくれる、ファンタジックなドラマ。1970年フィラデルフィア国際映画祭最優秀賞受賞。

「語るべきか、あるいは語らざるべきか」
(1970年、11分、カラー、35ミリ)
当時の世相を反映したメッセージ色の強い風刺アニメーション。街頭インタビューで多くの人がはっきりしない曖昧な返事をする中、一人のヒッピーが思いのままストレートに答える。しかし、彼の素直な感情表現は、全体主義の権力によって隠蔽されてしまう。1971年アヌシー国際アニメーションフェスティバル特別賞受賞。

「夜の蝶」
(1998年、8分、カラー、35ミリ)
駅の待合室。そこには全く身動きしない二人の淑女が座っていた。彼女たちは、夜行列車が到着するほんの2~3分前に命を吹き返す。ベルギー幻想派の巨匠ポール・デルヴォーにオマージュを捧げた作品。“セルヴェ・グラフィー”という独自の合成技術で、比類ない美しい作品となっている。1998年アヌシー国際アニメーションフェスティバルグランプリ受賞。

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