PERFORMANCE & FILM 舞台芸術 & 映画

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冬の定期上映会 地中海映画祭

2001年02月08日[木] - 2001年02月12日[月]

上映日:2001年2月8日(木)~12日(月・祝)

会場:高知県立美術館ホール

入場料:前売1日500円/当日1日600円

※身体障害者等割引料金 前売1日350円/当日1日420(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳所持者とその介護者1名

主催:高知県立美術館

フィルム提供:国際交流基金

協力:国際文化交流推進協

協賛:アサヒビール株式会社

後援:高知新聞社・RKC高知放送・KUTVテレビ高知・NHK高知放送局、エフエム高知・KSSさんさんテレビ(予定)

助成:財団法人地域創造「地域の芸術環境づくり支援事業」

■この事業は、ジャンボ宝くじの売上金から助成を受けて実施するものです。

古くから東西文明の要衝として異文化交流の舞台であった『地中海』。
その沿岸の国々の映画を5日間に渡り18本上映します。
同じ『地中海』という海に接しながら、沿岸に位置する国々は、文化も宗教も地理的条件も実に多様です。
時には激しく対立しながらも共存してきた長い歴史を持つこれらの国々の映画から、
私達も異文化、他地域への理解を深めていけるのではないでしょうか。
期間中、この地中海映画祭の作品選定にたずさわった、とちぎあきら氏をお迎えしてゲストトークも行います。

地中海映画祭☆ゲストトーク
■2001年2月11日(日) 午後2時50分~午後4時20分
「地中海映画の旅」 ゲスト:とちぎあきら氏(映画研究者)
期間中、上記の日程でゲストトークを行います。とちぎ氏は、今回の映画祭開催にあたり、実際にトルコ、ギリシャ、モロッコ、テュニジア、シリアを廻って調査されました。地中海周辺の、特に私達があまり知る機会の少ない北アフリカ、中近東の国々の映画や映画製作について、現地で感じてこられたことなどを交えながらお話いただきます。

●とちぎあきら氏 プロフィール●

「月刊イメージフォーラム」編集長を経て、現在東京国立近代美術館フィルムセンターで客員研究員を務めるかたわら、フリーで映画に関する執筆、翻訳、通訳、字幕翻訳および映画祭の企画などを行なっている。主な翻訳書に『ロバート・ロドリゲスのハリウッド頂上作戦』、『キリング・フォー・カルチャー』(共訳)など。「アモス・ギタイ映画祭」(98年)、「イスラエル映画祭2000」に続いて、「地中海映画祭」の作品選定とカタログ執筆に関わった。

上映作品紹介

■2001年 2月8日(木)
①午後6時20分~ 
 「第三のページ」
(トルコ/ゼキ・デミルクブズ監督/1999/92分)
恐怖から発作的に殺人をおかしてしまったイスタンブルの売れない役者イサ。隣人のメリエムに助けられ、やがてイサはメリエムに惹かれていくが、メリエムにも社会を生き抜くための策略があった。目に見えない力に操られるように抜き差しならない状況に陥るイサの運命を描く。1999年ロカルノ国際映画祭出品。

②午後8時~    
 「失われた子供たちの海岸」
(モロッコ/ジラーリ・フェルハーティ監督/1991/85分)
タンジェ近くの塩の産地として知られる海辺の村。誤って恋人を殺してしまったミナが妊娠していることを知った父親は、妻に妊娠したふりをさせ、ミナの子を妻の子供として知らせることを決意する。父権制のもとで幽閉されている女たちの姿を少ないセリフと静かな風景の中に刻印した作品。

■2001年2月9日(金)

①午後6時20分~
 「棺桶の中で宙返り」
(トルコ/デルヴィシュ・ザイム監督/1996/78分)
イスタンブルの波止場を徘徊するホームレスのマスーンは小さな犯罪を繰り返し、その日暮らしの生活を送っている。要塞跡で飼われている孔雀と喫茶店の常連の女性だけが彼の生活に希望を与えてくれる。しかしささやかな幸せも長くは続かなかった。1997年イスタンブール国際映画祭審査員特別賞。1998年トリノ映画祭審査員特別賞。

②午後7時50分~ 
 「運命」
(モロッコ/ナビル・アユーシュ監督/1997/90分)
警察官が500人以上の女性を監禁し、そのビデオを闇で売っていたという実際の事件をもとに、事件に巻き込まれたカップルが逃亡する姿を描く。スタイリッシュな画面とアップテンポな音楽など若々しい感性があふれる娯楽作。

■2001年2月10日(土)
①午前10時~   
 「テュニスの女たち」
(テュニジア/ヌーリー・ブージッド監督/1997/107分)
典型的な良妻賢母、別れた恋人を思いながら女手ひとつで子供を育てる女、アルジェリアから逃れてきた過去がトラウマとなっている女。異なるバックグラウンドを持ち、それぞれの生活を送る3人の女たちの友情と、自己の確立に目覚めていく姿をみずみずしく描く。

②午後1時~    
 「魂のそよかぜ」
(シリア/アブドルラティフ・アブドルハミド監/1997/91分)
父はいないが心優しく明るいサミルは、職場で出会ったマリアンとお互いに一目惚れ。しかしマリアンには許婚ユセフがいた。古き良きハリウッド映画を彷彿とさせるようなユーモアとペーソスに富むエンターテイメント映画。秀逸な音楽も聞き逃せない。

③午後2時40分~
  「アラク白ナツメヤシの伝説」
(エジプト/ラドワーン・エル・カーシフ監督/1998/110分)
男たちが出稼ぎに出て、女ばかりになった砂漠の小さな村に残った少年アハメドは、歳月を経て村のリーダー的存在になる。何年も経って戻ってきた男たちが、彼の成長をうとましく思いはじめ……。民族音楽をちりばめた幻想的な作品。1999年ロカルノ国際映画祭出品。

④午後4時40分~
  「エッジ・オブ・ザ・シティ」
(ギリシャ/コンスタンティノス・ヤナリス監/1998/90分)
アテネ郊外に暮らすカザフスタン移民の少年を主人公に、盗み、売春、麻薬などに手を染め、荒んだ生活を送る若者たちの姿を描く。手持ちカメラによる長回しのカットと荒々しく編集したスピード感あるカッティングを交錯させ、彼らのささくれた現実を浮き上がらせている。1998年ベルリン映画祭出品作品。

⑤午後6時20分~ 
 「砂漠の方舟」
(アルジェリア/モハメッド・シュウイック監督/1997/86分)
舞台はサハラ砂漠のオアシスの村。異なる民族に属する若い男女が恋に落ちたことをきっかけに二つの民族の対立が激化し、憎しみ、対抗意識が村を破壊する。監督はこの砂漠の村の寓話に仮託して、現実のアルジェリア内線でもエスカレートする暴力と民族の対立を痛烈に批判している。

■2001年2月11日(日)
①午前10時~ 
 ドキュメンタリー
            
「ヨーロッパの都市と文化」シリーズより
ヨーロッパの主要都市を著名な監督が撮ったシリーズの中から2作を上映。

         
 「リスボン」
(マノエル・デ・オリヴェイラ監督/1983/61分)
オリヴェイラが歴史/文化/芸術の多様な側面からリスボンを描く。詩、ファド、建築、絵画、演劇などさまざまな専門家による言説と作品を交錯させながら語られざる都市の起源と現在までの姿を浮かび上がらせていく。

 「アテネ」
(テオ・アンゲロプロス監督/1982/44分)
アンゲロプロスによる都市アテネ。1821年の独立戦争時代のバイロン卿、度重なる戦争で荒廃した国土の復興を夢見る詩人たち、40年の亡命生活を終えて帰ってきた老人の3つのエピソードによるアクロポリスへの訪問を描く。

②午後1時~ 
 「他者」
(エジプト/ユーセフ・シャヒーン監督/1999/101分)
日本でも多くのファンをもつ、エジプト映画界の巨匠ユーセフ・シャヒーンの最新作。歌あり踊りありのエンターテイメント作品。現代版ロミオとジュリエットともいえる悲恋を軸として、欧米資本の導入や宗教問題など、エジプト社会が抱えるジレンマを浮き彫りにする。1999年カンヌ映画祭出品。

★ 午後2時50分~  
  ゲストトーク
  「地中海映画の旅」 とちぎあきら氏
地中海映画祭の作品選定に携わった、とちぎあきら氏(映画研究者)によるトーク


③午後4時30分~ 
 「五月の雲」
(トルコ/ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監/1999/カラー/120分)
新しい映画の準備のために、故郷であるアナトリア地方の小さな町に戻ってきた映画監督ムザフェア。美しい5月のアナトリアの風景の中で、両親、友人、幼い甥など、ムザフェアを取り巻く人々の間で起こる事件を詩情豊かに描いた作品。2000年ベルリン国際映画祭コンペティション出品。

④午後6時40分~
 「ラグレットの夏」
(テュニジア/フェリッド・ブーゲディール監督/1996/90分)
1967年、第三次中東戦争勃発前夜の海辺の行楽地ラグレットを舞台に、アラブ系・ユダヤ系・キリスト系という、宗教、民族が異なる3つの家族の夏の日々を、ユーモアを交え軽妙洒脱なタッチで描いた作品。洒落た作風や開放的な登場人物たちは、フランスのコメディ映画を彷彿とさせる。テュニジア出身の女優クラウディア・カルディナーレがゲスト出演。

■2001年2月12日(月・祝)
①午前10時~  
 「その長き道のり」
(ギリシャ/パンデリス・ヴルガリス監督/1998/115分)
考古学者が亡くなった息子の足跡を辿る「唇の上の銀貨」、飛来地の番人が密猟者に怒りを爆発させる「最後の渡鳥」、妻に見放された成金男が行きつけのクラブを破壊する「ヴェトナム」。中年男の狂気をえぐった、ギリシャ映画の巨匠によるオムニバス作品。

②午後1時~   
 「女房の夫を探して」
(モロッコ/ムハンマド・アブデッラハマーン・タージ監督/1993/84分)
三番目の妻と三度目の離婚をしたハッジ。後悔するが、4度目の結婚は相手が一度離婚しない限り許されない。妻を取り戻すために妻の夫探しをするという、矛盾に満ちたハッジの試練がはじまる。未だ保守的な社会に残るイスラムの一夫多妻制をコミカルに皮肉る。90年代におけるモロッコ映画再生の口火を切った大ヒット作。

③午後2時35分~ 
 「西ベイルート」
(レバノン/ジアド・ドゥエイリ監督/1998/カラー/105分)
クエンティン・タランティーノ監督のアシスタント・カメラマンをつとめたドゥエイリ監督の長編デビュー作。内戦中のレバノン、西と東に分断されたベイルート。内線が次第に人々に深刻な影響を及ぼしていく状況を少年たちの生活を通して描いている。カンヌ映画祭出品。

④午後4時30分~ 
 「エル・マディナ」
(エジプト/ユスリー・ナスラッラー監督/1999/105分)
アレキサンドリアで活動したギリシャの詩人コンスタンチン・カバフィの詩から想を得て作られた作品。人生を変えようとパリへ渡ったアリは、負傷をきっかけにカイロに戻り、本当に大切なのはどの町に暮らすかではなく自分が誰なのかを知ることだと気づく。1999年ロカルノ国際映画祭出品

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