PERFORMANCE & FILM 舞台芸術 & 映画
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高知パフォーミング・アーツ・フェスティバル2016
日本・シンガポール・インドネシア 国際共同制作
三代目、りちゃあど
作:野田秀樹 演出:オン・ケンセン
2016年12月14日[水]
日時:2016年12月14日(水)19:00開演(18:30開場)
会場:高知県立美術館ホール
料金(税込・全席自由):
一般前売2,000円/当日2,500円
学生前売1,000円/当日1,500円
*身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・戦傷病者手帳・被爆者健康手帳所持者とその介護者(1名)は3割引です。 (ローソンチケットは割引対象外)《割引料金》一般前売券1,400円 一般当日券1,750円 学生前売券700円 学生当日券1,050円
前売券発売所:
高知県立美術館ミュージアムショップ/高新プレイガイド/高知大丸プレイガイド/高知市文化プラザミュージアムショップ/ローソンチケット0570-084-006(Lコード61850)
※ローソンチケットのみ県外店舗でも販売しています
*日本語・英語・インドネシア語上演、日本語・英語字幕付き
*上演予定時間約150分(1幕 1時間10分/休憩15分/2幕45分)
*未就学児のご入場はご遠慮願います。無料託児サービスをご利用ください。
主催:高知県立美術館
企画制作:高知県立美術館、シンガポール国際芸術祭、東京芸術劇場、SPAC-静岡県舞台芸術センター、熊本県立劇場、吹田市文化振興事業団、福岡市文化芸術振興財団
協力:NODA・MAP、松竹株式会社
後援:在本邦インドネシア共和国大使館、在京シンガポール大使館、NHK高知放送局、高知新聞社、RKC高知放送、KUTVテレビ高知、エフエム高知、KSSさんさんテレビ、KCB高知ケーブルテレビ、高知シティFM放送
支援:平成28年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業
助成:一般社団法人全国モーターボート競走施行者協議会、一般財団法人地域創造
日・シンガポール外交関係樹立50周年記念事業
作品概要
1990年に野田秀樹が自身の主宰する「夢の遊眠社」のために書き下ろし演出した「三代目、りちゃあど」。舞台は法廷、被告は「りちゃあど」、対する検事は「シェイクスピア」! シェイクスピアは、リチャード三世やヴェニスの商人をなぜ徹底的に悪人として描いたのか-という疑問から生まれたこの戯曲に、世界的に活躍するシンガポールの演出家オン・ケンセンが挑みます。伝統/現代、男性/女性、人間/人形、光/影、アナログ/デジタルなど相対するさまざまな要素が渦巻く、濃密でエネルギッシュなアジア的カオスが、やがて少年たちの美しい夢へと昇華する-。 歌舞伎の中村壱太郎、狂言の茂山童司、宝塚出身の久世星佳をはじめ、劇団毛皮族の江本純子、たきいみき(SPAC)ら日本・シンガポール・インドネシアの個性豊かな実力派俳優たち、さらにバリの影絵芝居俳優も参加。歴史的人物リチャード三世を描いたシェイクスピアの代表作を自由な発想で再構築した野田秀樹の傑作が、アジアのエネルギーを結集して生まれ変わります!
リチャード三世は本当に極悪非道だったのか?!
シェイクスピアは本当に歴史をねじ曲げたのか?!
野田秀樹の傑作戯曲に シンガポールの演出家、オン・ケンセンが挑む!
あらすじ
リチャード三世の最後の戦場 ボズワースの天幕のシーンから、舞台は突然りちゃあどの罪の 有無を争う法廷の場面へ。 その弁護人は『べニスの商人』でおなじみ悪人シャイロック、弁護を買って出たのは、シェイクスピアに対する復讐のためだった。 王位を狙うリチャード三世の物語はいつしか華道界の家元争いに…。 作者と登場人物の確執は一体どこへ向かうのか?
観劇前に知っておきたいシェイクスピアと『リチャード三世』
「馬をくれ、馬を!馬のかわりにわが王国をくれてやる!」 邪魔者を次々と始末し王冠を手に入れたリチャードは、家臣たちの反乱にあい、ボズワースの戦いでこう叫び息絶える。『リチャード三世』は十五世紀イギリスの薔薇戦争を題材にした歴史劇である。赤薔薇ランカスター家と白薔薇ヨーク家の覇権争いは、ヨーク家の勝利により平和を迎えていたが、王の末弟リチャードは王位を狙って画策する。彼は次兄ジョージを暗殺し、地位固めに前皇太子の未亡人アンを口説いて結婚。兄王が心労で病死すると、残る王位継承者である王子たちをロンドン塔に幽閉し暗殺する。「次期国王にはリチャードを!」という国民の声を演出した彼はしぶしぶ玉座につく。しかし喜びもつかの間、彼は家臣たちの裏切りを恐れるのだった。 『三代目、りちゃあど』のもう一人の主人公はシェイクスピア。リチャードが不自由な身体をもつという設定はシェイクスピアの創作だとか、彼にはリチャードという名の弟がいた、妻アンは悪妻だったなどの伝説が巧みに織り込まれる。さらに『べニスの商人(マーチャント)』のシャイロクも登場。原作の金貸しシャイロックは三千ダカットの借金の抵当に相手の肉一ポンドを要求するが、裁判官の「血を一滴も流してはならぬ」という一言に阻まれ、全財産を没収され破滅する。 パロディ満載の作品だが、実は本家本元のシェイクスピアも既存のネタをもとに芝居を書く改作の名手だったことを知っておくと何倍もおもしろい。 道行千枝(福岡女学院大学人文学部言語芸術学科准教授) 出典:福岡市文化芸術振興財団発行「wa」vol.71より
出演
リチャード三世 / りちゃあど ― 中村壱太郎 シェイクスピア / ジョージ ― 茂山童司 マーチャン / シャイロク ― ジャニス・コー ハハバイ(シェイクスピアの母)/ 家元夫人 ― ヤヤン・C・ヌール チャボーズ / 影絵人形遣い ― イ・カデック・ブディ・スティアワン ワルカツマー(シェイクスピアの妻)/ アン ― たきいみき カイロプラクティック/ シンリー ― 江本純子 裁判長 / チチデヨカ(シェイクスピアの父) / 家元 / ワスレガタミ ― 久世星佳
クレジット
作:野田秀樹 ウィリアム・シェイクスピア「リチャード三世」(小田島雄志訳)より
演出:オン・ケンセン (シンガポール国際芸術祭芸術監督)
美術:加藤ちか 照明:スコット・ジェリンスキー 衣裳:矢内原充志 映像:高橋啓祐 音楽:山中透 ヘアメイク:中村兼也 舞台監督:山貫理恵 プロダクションマネージャー:大平久美 宣伝美術:矢内原充志+河ノ剛史 舞台写真:石川純
関連企画
「ワヤン影絵芝居ワークショップ」(2016/10/14更新)
日時:11月12日(土)受付18:30~ 開始19:00~ (21時頃終了予定)
会場:高知県立美術館ホール 講師:イ・カデック・ブディ・スティアワン
参加費:無料
対象:大人/16才以上
定員:30名(先着順)
お申込み方法:お電話でお申込み下さい。 高知県立美術館 088-866-8000 (9時~17時)
【内容】「三代目、りちゃあど」に出演する、影絵師チャポン(本名:イ・カデック・ブディ・スティアワン)さんによる影絵芝居のワークショップです。当日は、インドネシアの伝統的な影絵人形を使い、簡単なストーリーで影絵芝居の上演を体験していきます。
《講師プロフィール》 影絵マスターの家系に生まれる。影絵制作、影絵使い、音楽家、舞踏家としての才能は、共に著名な影絵師であった両親から受け継いだ。5年間ウダヤナ大学で英文学を学んだ後、2010年国立芸術学院(ISI)デンパサール校に進み影絵学科を主席で卒業。影絵師以外にも舞踏家、音楽家としての才能を生かし、日本、イタリア、ドイツ、オーストリア、オランダとオーストラリアなどの世界各国を訪れている。海外での主な活動に、オーストラリア人との共同制作によるバリの伝統的な物語『シータ姫の誘拐』を脚色した影絵芝居(ピーター・ウィルソン演出)、オランダ・アムステルダムのミュージック・ヘボウ・アアン・ヘット・アイでのジャズ音楽と影絵のコラボレーション、2013年パリ・アート・フェスティバルでのアメリカのジェン・バンダ演出による影絵芝居『ヴェローナの二紳士』への出演などがある。
プロフィール
【作】
野田秀樹(のだひでき)
劇作家、演出家、役者。1955年、長崎県出身。大学在学中に劇団夢の遊眠社結成。一大ブームを巻き起こし、92年に解散。ロンドン留学を経て93年、NODA・MAPを設立。「キル」「パンドラの鐘」「オイル」「THE BEE」「THE DIVER」「ザ・キャラクター」「MIWA」などの話題作を発表。国内のみならず海外でも精力的な活動を展開。09年、東京芸術劇場の芸術監督に就任。14年には「半神」で「赤鬼」以来9年ぶりとなる韓国との国際共同制作に取り組んだほか、5月~6月には「THE BEE」English Versionの欧州ツアー、15年3月に「エッグ」がパリ国立シャイヨー劇場に正式招待された。
【演出】
オン・ケンセン ONG Keng Sen
シンガポール国際芸術祭のディレクター。舞台演出家として現代芸術におけるアジアの美の発展とトランス・グローバリゼーションに積極的に貢献。ニューヨーク大学大学院のティッシュ・スクール・オブ・ジ・アーツのコースを終了した他、法律の学位も持つ。彼のシェイクスピア三部作は、リンカーン・センター、エジンバラ国際フェスティバル、パリ市立劇場、SPAC/静岡舞台劇術センター、シアターコクーン等、世界各地で上演された。劇団シアターワークスの芸術監督として世界的に有名なフライング・サーカ・スプロジェクト(現在休止中)やアーツ・ネットワーク・アジアを立ち上げ、新進のアーティストの指導も積極的に行っている。2001年から2003年にかけて開催されたベルリンのイントランジット・フェスティバルを創設した。2010年にはアジアのコンテンポラリー・パフォーマンスの功績に対し福岡の名誉あるアジア文化賞を授与された。
【出演】
中村壱太郎 (なかむらかずたろう)
1990年8月3日生まれ。中村鴈治郎の長男。祖父は坂田藤十郎。母は吾妻徳穂。屋号は成駒家。1991年11月京都・南座〈三代目中村鴈治郎襲名披露興行〉『廓文章』の藤屋手代で初お目見得。1995年1月大阪・中座〈五代目中村翫雀・三代目中村扇雀襲名披露興行〉 『嫗山姥』の一子公時で初代中村壱太郎を名のり初舞台。2007年に史上最年少の16歳で大曲『鏡獅子』を踊る。2010年3月に『曽根崎心中』のお初という大役に役柄と同じ19歳で挑む。現在、女方を中心に歌舞伎の舞台に精進しつつ、ラジオやテレビにおける歌舞伎の紹介番組のナビゲーターとしても活動の場を広げている。2014年9月日本舞踊において吾妻徳陽として吾妻流七代目家元を襲名。平成23年度文化庁芸術祭賞新人賞。平成23年度咲くやこの花賞。2015年国立劇場優秀賞。平成27年度大阪文化祭賞奨励賞。
茂山童司(しげやまどうじ)
大蔵流狂言方。1983年4月2日生まれ。茂山あきらの長男。父および祖父二世茂山千之丞に師事。1986年、『魔法使いの弟子』(NOHO(能方)劇団)で初舞台。1997年『千歳』、2004年『三番三』、2006年『釣狐』を披く。語学に堪能で近年はNHKテレビの語学番組「プレキソ英語」に“カウドージ”なるキャラクターでレギュラー出演していたほか、国内外でバイリンガル狂言公演や他ジャンルのアーティストのコラボレーションを行うなど表現者としての新境地を切り開いている。2013年夏に自らが作・演出を手掛けるコント公演「ヒャクマンベン」、2014年春に100年後の古典を目指す新作狂言の会「新作“純”狂言集マリコウジ」の両プロジェクトを始動。横浜トリエンナーレ2014の正式招待プログラムである「釜ヶ崎芸術大学」の講師として狂言を指導し、新作狂言上演の成功を導く。2015年東京芸術劇場、金沢歌劇座で上演のオペレッタ「メリーウィドウ」の脚本・演出を手掛けるなど役者としてだけではなく演出家としても精力的に活動中。
ジャニス・コー Janice Koh
シンガポールの舞台とテレビで活躍する俳優であり、任命議員も務めたことがある。シンガポール国立大学で演劇学を学んだ後、ロンドンのゴールドスミス・カレッジでシアター・アドミニストレーションを学び修士号を取得。2003年デヴィッド・オーバーン『プルーフ/証明』の演技により、ライフ!シアター・アワードの最優秀女優賞を受賞。2010年にはチャンネル5の法廷ドラマ『ザ・ピュープル』の演技でアジア・テレビジョン・アワードにノミネートされた。海外ツアーにも参加しヨーロッパやアジアの主要な劇場やフェスティバルの舞台にも立っている。主な海外公演として、劇団ワイルド・ライス『アナザー・カントリー 』クアラルンプール公演(2015年)、やブリュッセルで開催されたクンステン・フェスティバル・デザールでの『リア王プロジェクト』(2008年)、エジンバラ国際演劇祭にもシアター・ワークス『ディアスポラ』(2009年)で参加している。
ヤヤン・C・ヌール Jajang C. NOER
現在のインドネシアの演劇界と映画界において、演出家・監督や俳優として最も多くの作品に関わっているインドネシア人の女優の一人。『ビビール・メル』で1992年度インドネシア映画祭助演女優賞を受賞した後も、多くの映画で異彩を放ち続けている。他にも2013年東京国際映画祭で上映された『目隠し』、2014年にインドネシア映画祭で最優秀作品賞を受賞した『カハヤ・ダリ・ティムール:ベタ・マルク』(2014年)などがある。舞台での活躍は1972年にティアター・ケトジルと共同制作に遡る。テレビ映画では『ブカン・ペレムプアン・ビアサ』でイネドネシア・テレビドラマ・フェスティバル最優秀連続ドラマ賞受賞。大女優としてだけでなく、キャストの能力を最大限に引き出す演出家としても知られる。50本近くの映画やテレビ映画に出演しており、インドネシアだけでなく海外でも数々の賞を受賞している。
イ・カデック・ブディ・スティアワン I Kadek Budi Setiawan
影絵マスターの家系に生まれる。影絵制作、影絵使い、音楽家、舞踊家としての才能は、共に著名な影絵師であった両親から受け継いだ。5年間ウダヤナ大学で英文学を学んだ後、2010年国立芸術学院(ISI)デンパサール校に進み影絵学科を主席で卒業。影絵師以外にも舞踊家、音楽家としての才能を生かし、日本、イタリア、ドイツ、オーストリア、オランダとオーストラリアなどの世界各国を訪れている。海外での主な活動に、オーストラリア人との共同制作によるバリの伝統的な物語『シータ姫の誘拐』を脚色した影絵芝居(ピーター・ウィルソン演出)、オランダ・アムステルダムのミュージック・ヘボウ・アアン・ヘット・アイでのジャズ音楽と影絵のコラボレーション、2013年バリ・アート・フェスティバルでのアメリカのジェン・バンダ演出による影絵芝居『ヴェローナの二紳士 』への出演などがある。
たきいみき
大阪府出身。文楽好きが高じて女優を志す。2001年劇団「ク・ナウカ」入団、06年よりSPAC在籍。宮城聰演出『ふたりの女 平成版 ふたりの面妖があなたに絡む』(作:唐十郎)、『夜叉ヶ池』、『真夏の夜の夢』(潤色:野田秀樹)等にメインキャストとして出演。クロード・レジ演出『室内』で海外ツアーにも参加するほか、フレデリック・フィスバック、オマール・ポラス、ユディ・タジュディンら海外からの招聘演出家の作品でも印象的な役を演じている。
江本純子(えもとじゅんこ)
1978年千葉県生まれ。立教大学入学と同時に演劇を始め、21歳のときに劇団「毛皮族」を旗揚げ。 2000年代、毛皮族は祝祭的な演劇作品の数々を上演し、演劇界で一躍した存在となった。09年、10年に発表した『セクシードライバー』『小さな恋のエロジー』は岸田國士戯曲賞の最終候補となる。12年にはフランス・パリ日本文化会館より招聘され、毛皮族作品を上演した。主な演出舞台作品に『ライチ☆光クラブ』『幕末太陽傳』など。主な舞台出演作にポツドール『愛の渦』、『農業少女』(野田秀樹作/松尾スズキ演出)、シアターコクーン+大人計画『ふくすけ』など。14年に劇団活動を休止し、現在は劇場ではない場所での演劇製作を創作活動の中心としている。16年は目黒区大橋のガレージで『黒い三人のこども』、小豆島大部にて野外演劇『とうちゃんとしょうちゃんの猫文学』を発表。また、初監督した長編映画作品『過激派オペラ』が16年10月に公開。
久世星佳(くぜせいか)
1983年宝塚歌劇団に入団し、96年より月組トップスターに就任。97年の退団後は、舞台を中心に映画やTVドラマなど多方面で活躍。『OUT』で第8回読売演劇大賞優秀女優賞受賞。ドラマ『第2楽章』『あさきゆめみし~八百屋お七異聞』『科捜研の女』、『神の舌を持つ男』などに出演。
近年の主な出演舞台に『祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~』(演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ)、『9days Queen~九日間の女王~』(演出:白井晃)、『ブレス・オブ・ライフ~女の肖像~』(演出:蓬莱竜太)がある。
撮影:石川純