PERFORMANCE & FILM 舞台芸術 & 映画
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春の定期上映会
メロドラマの巨匠
ダグラス・サーク監督特集
2021年06月19日[土] - 2021年06月20日[日]
上映日:2021(令和3)年 6月19日(土) ・20日(日)
会 場:高知県立美術館ホール
入場料:《1プログラム券》前売:1,000円/当日:1,200円 (税込) ※各プログラム入替制
*身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・戦傷病者手帳・被爆者健康手帳所持者とその介護者(1名)は3割引きです。割引料金:1プログラム券前売:700円/当日:840円(ローソンチケットは割引対象外)
*年間観覧券をご提示いただくと前売料金でご覧いただけます。
企画概要
メロドラマの巨匠と謳われ、ゴダール、ファスビンダー、タランティーノら後年多くの映画監督に影響を与えたダグラス・サーク監督の傑作を8作品上映します。プロデューサーから撮影中にたびたび「この場面で500枚のハンカチを濡らしてくれ」と頼まれ大ヒットした「心のともしび」や、ハリウッド時代最後の大傑作「悲しみは空の彼方に」を始め、ドイツ時代の代表作やハリウッド時代のサスペンス映画などをお届けします。幅広いジャンルで数多くの傑作を残し、「狂気が宿る通俗性は芸術に至る」と語る、「50年代アメリカを涙で濡らした男」とも「演劇・映画・文学等におけるハリウッド有数の教養人」とも呼ばれたダグラス・サーク監督の作品を是非お楽しみください。
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上映作品(各プログラム入替制) ※開場は上映の30分前
---6月19日(土) | ---6月20日(日) |
-Aプログラム -10:00~11:29 -11:40~13:01 |
-Cプログラム -10:00~11:29 -11:40~12:59 |
-Bプログラム -14:00~15:48 -16:00~17:38 |
-Dプログラム -14:00~16:05 -16:15~17:52 |
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6月19日(土)
Aプログラム
① 10:00~11:29
『僕の彼女はどこ?』
(1951年/89分/アメリカ/カラー/DVD)
出演:チャールズ・コバーン、ロック・ハドソン、パイパー・ローリー
ダグラス・サーク初の長編カラー作品。ある老富豪が昔振られた恋人の遺族に財産を残そうと思い立ち、偽名で遺族の家庭に下宿する。一家は幸せだったが上流階級の仲間入りを目指して、娘を好きな彼と別れさせ、金持ちの御曹司と結婚させようとしている。ロック・ハドソンがスターの階段を上るきっかけになったお洒落で風刺のきいたラブ・コメディ。ジェームス・ディーンが端役で出演している。
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② 11:40~13:01
『ショックプルーフ』
(1948年/81分/アメリカ/白黒/DVD)
出演:コーネル・ワイルド、パトリシア・ナイト
保護観察官グリフは、仮釈放中の女殺人犯ジェニーを担当するが、ジェニーには悪党の恋人がいた。だんだんとグリフはジェニーに惹かれてゆき、ついに仕事を捨ててまで“禁断の逃避行”に出るサスペンスタッチのラブ・ロマンスの佳作。追い詰められた二人が迎える驚愕のラストに唖然とする。共同脚本にサミュエル・フラーが参加している。
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Bプログラム
①14:00~15:48
『心のともしび』
(1953年/108分/アメリカ/カラー/ブルーレイ)
出演:ロック・ハドソン、ジェーン・ワイマン、バーバラ・ラッシュ
金持ちの青年ボブと彼の無軌道な行動のせいで夫が死んだ女性ヘレン。ボブは許しを請おうとヘレンに近づくが、その強引な接近のせいでヘレンまで失明してしまう。ボブは改心し、名前を隠してヘレンに近づくうちに、次第にヘレンに惹かれてゆく。遂に結婚を申し込むがヘレンは負担を掛けると雲隠れしてしまう。何年か経ったある日、ヘレンが瀕死という情報が届く。出来過ぎた設定を鮮やかなテクニカラーで描いた完璧なメロドラマ。ヘレンを演じたジェーン・ワイマンがアカデミー賞主演女優賞ノミネート。
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②16:00~17:38
『世界の涯てに』
(1937年/98分/ドイツ/白黒/DVD)
出演:ツァラ・レアンダー、ウィリー・ビルゲル
ダグラス・サーク初期の代表作。“第2のガルボ”と呼ばれた、ナチス時代のドイツを代表する女優ツァラ・レアンダー主演。ヴィクトリア朝ロンドンの人気歌手グローリアは恋する大尉の罪をかぶり、オーストラリアに流される。一方異動でオーストラリアに赴任してきた大尉は、グローリアを無視して総督の令嬢と婚約する。絶望したグローリアは刑務所に戻ろうとするが、誠実な農夫が現れて...。監督名は当時の表記デトレフ・ジールク。
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6月20日(日)
Cプログラム
①10:00~11:29
『天はすべて許し給う』
(1955年/89分/アメリカ/カラー/ブルーレイ)
出演:ジェーン・ワイマン、ロック・ハドソン、アグネス・ムーアヘッド
夫に先立たれ、二人の子供も巣立った未亡人キャリーと庭師の青年ロンの愛を描く。裕福なブルジョア女性と生活力のない若い労働者という置かれた立場の差や年の差への偏見、保守的な町の環境、体面を気にする子供達に苦しめられながらも愛を貫く二人を甘美な映像で描く傑作。ライナー・W・ファスビンダー監督の「不安と魂」、トッド・ヘインズ監督の「エデンより彼方に」は本作へのオマージュ作品。
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②11:40~12:59
『わたしの願い』(1952-53年/79分/アメリカ/白黒/DVD)
出演:バーバラ・スタンウィック、リチャード・カルソン、ライル・ベティカー
数年前に夫と3人の子供を捨てて都会で大女優を目指したナオミだったが、今は場末の芝居小屋の女優となっていた。しかしそれを知らず母に憧れる次女から高校演劇の招待状が送られ故郷に帰ることに。夫は帰還を歓迎する。次第に家庭の暖かさに惹かれるようになったナオミは、引き留められるままに長居してしまう。
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Dプログラム
①14:00~16:05
『悲しみは空の彼方に』
(1958年/125分/アメリカ/カラー/ブルーレイ)
出演:ラナ・ターナー、サンドラ・ディー、ファニタ・ムーア
女優を目指す未亡人ローラと娘スージー、黒人の家政婦アニーと別れた白人の夫の間に生まれた白い肌の娘サラ・ジェーン。シングルマザー2人のそれぞれの娘に対する深い愛情、一方母の恋人に憧れるスージー、黒人の母を隠すサラ・ジェーン。4人の波瀾万丈の人生を、人種問題、社会問題を交えつつ豪華絢爛な映像でダイナミックに描いた感涙必至の大傑作。黒人の母娘を演じた、ファニタ・ムーアとスーザン・コーナーがアカデミー賞最優秀助演女優賞にノミネート。1995年の「ニューヨーク・デイリーニューズ」紙の投票「最も好きな映画」の第10位に選ばれた。
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②16:15~17:52
『眠りの館』
(1947年/97分/アメリカ/白黒/DVD)
出演:クローデット・コルベール、ロバート・カミングス、ドン・アメチー
目覚めると寝台列車に乗っていた!夫リチャードに睡眠薬を使って夢遊病患者のように見せかけられ、殺されそうになる妻アリソンの危機を描く。アリソンを助けようとする友人ブルース、ファム・ファタール的なリチャードの愛人ダフネも登場し、最後までハラハラドキドキさせられる。果たしてアリソンは助かるのか?
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ダグラス・サーク
1897年ドイツ・ハンブルク生まれ。本名ハンス・デトレフ・ジールク。大学卒業後、演劇の演出家としてデビュー。1929年ライプツィヒの市立劇場の演劇監督に就任。女優ヒルデ・ヤーリと再婚。ヒトラー政権の誕生後、ヒルデがユダヤ系だったため活動の場を演劇から映画に移し、34年当時ヨーロッパ最大の映画会社ウーファと契約。「世界の涯てに」他で、女優ツァラ・レアンダーの売り出しに貢献。その後ドイツを脱出、数か国を経てアメリカへ渡り、ダグラス・サークと名乗る。ワーナーと1年契約し40年代末に一時ドイツに帰国するも再渡米。50年代はユニバーサルと契約し傑作を連発して黄金時代を築いた。最後の長編「悲しみは空の彼方に」も大ヒットしたが、59年ハリウッドを離れスイスに移住した。映画のオファーは全て断り60年代にドイツの演劇界に復帰した。70年代にはミュンヘン・テレビ/映画大学の講師として、学生に映画作りを教え3本の短編映画を監修した。60年代後半ヨーロッパで再評価が始まり、83年にはサークを敬愛するダニエル・シュミットがサークのドキュメンタリー映画「人生の幻影」を撮った。87年89才で没。