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冬の定期上映会 喜劇映画の異端児
- 渋谷実監督特集 - 松竹キネマ90周年記念

2012年02月19日[日] - 2012年02月26日[日]

上映日:2012年2月19日(日)25日(土)26日(日)
会場:高知県立美術館ホール


入場料:前売1日券1,000円/当日1日券1,200円
身体障害者手帳・療育手帳・障害者手帳・戦傷病者手帳・被爆者健康手帳所持者とその介護者(1名)は3割引です。割引料金一般前売700円 /当日一般840円


*身体障害者割引前売券については、高知県立美術館ミュージアムショップ、高知県立県民文化ホールで取り扱います。
*年間観覧券をご提示いただくと前売料金でご覧いただけます。

主催:財団法人高知県文化財団(高知県立美術館) 一般社団法人コミュニティシネマセンター
共催:東京国立近代美術館フィルムセンター

助成:芸術文化振興基金助成事業
協力:松竹株式会社

高知県立美術館冬の定期上映会は、小津安二郎、木下恵介とともに松竹映画の「三大巨匠」とよばれた渋谷実監督を特集します。
渋谷監督は、戦前松竹蒲田に入社し、成瀬巳喜男、五所平之助、小津安二郎監督につき、37年『奥様に知らすべからず』で監督デビューします。戦後は、獅子文六原作の『てんやわんや』(50年)から『やっさもっさ』(53年)まで戦後風俗を喜劇的に描いた一連の作品で人間喜劇という独自の作風を確立します。この他にも『勲章』(54年)『正義派』(57年)『気違い部落』(57年)など冷徹な人間観察によるシリアスな作品も生み出します。
喜劇映画の異端児と呼ばれ、鋭い人間観察や風俗観察の辛辣な喜劇作品を生み出し、日本映画に独自のジャンルを切り開いた渋谷監督。没後、まとまった回顧上映のなかった監督作品10本をこの機会にぜひお楽しみください。


上映作品

2月19日(日)
開場10:00
10:30~11:31
「奥様に知らすべからず」 
(37年/61分)※東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
斎藤達雄、岡村文子、坂本武、吉川満子
 
横山氏(斎藤)は、妻のふみ子(岡村)にまったく頭が上がらず、飼っているオウムにまで馬鹿にされる始末。恐妻家の悲哀をコミカルに描いた渋谷監督の戦前のデビュー作。

13:00~14:49
「自由学校」
(51年/109分) ※東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
佐分利信、高峰三枝子、淡島千景、佐田啓二
戦後の新聞連載小説で、最大の話題を集めた獅子文六の新聞小説。ノンビリ型の夫(佐分利)が、快活で行動的な妻(高峰)に“性格上の不一致”から家を追い出されてしまう。以来夫婦の周りにはテンヤワンヤな出来事が次々と起こる。松竹、大映の競作映画となった作品。

15:00~16:37
「本日休診」
(52年/97分) 
柳永二郎、鶴田浩二、淡島千景、三国連太郎
 
本日休診の札を掛け、のんびりと昼寝をしようと思った先生(柳)。ところが 婆やの息子勇作(三国)の戦争後遺症につき合わされたり、飲み屋の女(淡島)が流産したので駆けつけたりと次々と問題が起こり、てんてこ舞いとなる群像劇。

16:45~18:17
「正義派」
(57年/92分)※東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
佐田啓二、久我美子、伊藤雄之助、望月優子 
しがないバスの運転手・藤田(佐田)は親の許さぬ恋人(久我)と内縁の結婚をしていた。ある日藤田は誤って人をはねてしまう。バスに乗り合わせていた後輩は、藤田の過失だと証言する。志賀直哉原作の「正義派」と「清兵衛と瓢箪」をもとにした意欲作。

2月25日(土)

開場10:00
10:30~12:22
「現代人」
(52年/112分) 
池部良、山田五十鈴、山村聡、小林トシ子
建設局管理課の荻野(山村)は主任とともに建設会社から収賄を続けていたが、主任の転任とともに足を洗う決心をする。しかし土木会社の社長は決心をにぶらせようといろんな手を使ってくる。建設局の中に起こる収賄事件を題材に戦後社会の暗黒面を描いた作品。

13:30~15:44
「気違い部落」
(57年/134分)
伊藤雄之助、淡島千景、水野久美、伴淳三郎 
東京近郊の奥多摩山村に株屋と高利貸しのふたりのボスに牛耳られている村がある。農民はやせた狭い土地にひしめいている。そんななかで土地問題から村八分にされた鉄次(伊藤)の一家が村に敢然と反抗する。

16:00~17:50
「悪女の季節」
(58年/110分)
東野英治郎、山田五十鈴、岡田茉莉子、伊藤雄之助

悪事でしこたま金をため込んだ老実業家(東野)と金目当てで彼の世話をする元三流芸者(山田 )とその娘(岡田)、彼女の元の馴染み客(伊藤)、老実業家に父の財産を奪われた甥など、さまざまな物欲に取り付かれた輩が展開する人間模様。

18:00~19:35
「もず」
(61年/95分)
有馬稲子、淡島千景、山田五十鈴、乙羽信子  原作:水木洋子
新橋の三流小料理屋の住込み女中として働く母(淡島)と松山から上京してきた娘(有馬)が20年ぶりに再会するが、娘は母を嫌悪する。そんな母娘の情愛を厳しく哀しく描いた作品。

2月26日(日)
開場10:00
10:30~12:07
「本日休診」
(52年/97分)
柳永二郎、鶴田浩二、淡島千景、三国連太郎、岸恵子

13:00~14:52
「現代人」
(52年/112分)
池部良、山田五十鈴、山村聡

15:00~16:28
「バナナ」
(60年/88分) 
津川雅彦、岡田茉莉子、尾上松緑、杉村春子   原作:獅子文六
バナナ輸入のライセンスをとり一儲けしようとする華僑の子息(津川)とその恋人(岡田)を巡る物語。彼女はその商売をサポートする一方、シャンソン歌手を目指す。日本で成功し、優雅に暮らす華僑家族を中心に、若者達の夢と挫折を描いた都会派ユーモア作品。


16:40~18:08
「好人好日」
(61年/88分)
笠智衆、岩下志麻、淡島千景、川津祐介 
大学の数学教授で数学以外の事は無関心、とかく奇行奇癖の多い父(笠)、そして茶碗酒の好きな母(淡島)、その一家にふってわいたように起こった娘(岩下)の縁談話。笠智衆と岩下志麻が親娘に扮し、ほのぼのとした情愛を見せる人情ドラマ。


渋谷実 (しぶやみのる)

1907年東京浅草生まれ。慶応大学英文科に入学するが病により中退。30年、松竹蒲田撮影所で牛原虚彦監督の 見習い助手を務めた後、正式入社。成瀬巳喜男、五所平之助監督につく。37年『奥様に知らすべからず』で監督 デビュー。4作目の『母と子』(38)がキネマ旬報ベストテン3位入賞。戦後、四国独立運動の顛末を描いた獅子文六 原作の『てんやわんや』(50)で世相を反映した人間喜劇という独自の作風を確立。以後、『自由学校』『本日休診』 『現代人』『やっさもっさ』など喜劇映画の秀作を発表、全盛期を築く。小津安二郎、木下恵介とともに「三大巨匠」と 呼ばれた。その作風は、川島雄三、前田陽一らに受け継がれている。1980年12月20日永眠。

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