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冬の定期上映会 生誕百年記念 山中貞雄監督特集

2010年01月30日[土] - 2010年01月31日[日]

上映日:2010年1月30日(土)31日(日)

会場:高知県立美術館ホール

入場料:前売1日券1,000円   当日1日券1,200円  

身体障害者手帳・療育手帳・障害者手帳・戦傷病者手帳・被爆者健康手帳所持者とその介護者(1名)は3割引です。割引料金前売700円/当日840円

*身体障害者割引前売券については、高知県立美術館ミュージアムショップ、高知県立県民文化ホールで取り扱います。
年間観覧券をご提示いただくと前売料金でご覧いただけます。

シネマテーク・プロジェクト第2弾

コミュニティシネマセンター日本映画巡回企画第5弾

主催:高知県立美術館/一般社団法人コミュニティシネマセンター

共同開催:アテネ・フランセ文化センター/NPO法人コミュニティシネマ大阪/川崎市アートセンター/せんだいメディアテーク/山口情報芸術センター/広島市映像文化ライブラリーほか

協力:京都文化博物館

後援:NHK高知放送局・高知新聞社・RKC高知放送・KUTVテレビ高知・エフエム高知・KSSさんさんテレビ・KCB高知ケーブルテレビ・高知シティFM放送

助成:アサヒビール芸術文化財団

山中貞雄ウェブサイト:http://sadao100.s1.bindsite.jp/

山中貞雄は、1909(明治42)年京都に生まれ、18歳のとき、マキノ正博を頼ってマキノ等持院撮影所に入所しました。その後、嵐寛壽郎プロダクション、東亜キネマに移り、助監督をしながら多くのシナリオを執筆し、1932年(昭和7年)、若干22歳で『磯の源太 抱寝の長脇差』で監督デビューします。処女作にしてその年のベストテンに名を連ねるなど、その才を知らしめました。
 翌年には、日活に移籍。『盤嶽の一生』『鼠小僧次郎吉』(1933)と快作を放ち、その後も欧米の作品に影響を受けつつ、自らのスタイルを追求していきます。
1934年(昭和9年)からは、それぞれが所属する会社の枠組をこえ、稲垣浩、瀧澤英輔ら他とシナリオ集団「鳴滝組」を結成。「梶原金八」の共同ペンネームで『戦國群盗傳』(1937年・瀧澤英輔監督)などを発表、新しい時代劇を切り拓いていきました。
1937年に東京に移り、P.C.L.(後の東宝)入社第1作となる『人情紙風船』を監督するも、発表直後に召集令状が届き、中国戦線に赴き、1938年、病のため28歳という短い生涯を終えます。
 わずか5年あまりの監督人生で撮った26作品のうち、フィルムが現存するのは『丹下左膳餘話 百萬两の壺』(1935年)『河内山宗俊』(1936年)『人情紙風船』(1937年)の3本のみ。それにもかかわらず今もなお、多くの映画ファンをひきつけてやみません。
今回の上映会は、山中貞雄生誕百年を迎えたことを記念し、上記の3作品を中心に、原作・脚本作品、戦後のリメイク作品を集めてその偉業を称えます。
夭折の天才監督・山中貞雄の軌跡をスクリーンでお楽しみ下さい。

上映スケジュール 

1月30日(土)

10:00 開場
10:30~12:05
山中貞雄パラパラ漫画アニメ 2分30秒 ※
『水戸黄門・血刃の巻』 
(1935年/92分/35ミリ/無声) 
監督:荒井良平 原作:大佛次郎 脚本:山中貞雄 日活京都 FC提供
出演:大河内傳次郎 澤村國太郎 市川百々之助                 
大佛次郎の新聞連載小説を山中貞雄が脚色。大河内傳次郎主演『水戸黄門』三部作の完結編。
将軍継承にかかわる柳沢吉保の陰謀を食い止めようとする水戸光圀と、親友の仇を討とうとする浪人・立花甚左衛門の二役を大河内傳次郎が好演。本作が大河内傳次郎の最後のサイレント作品。
昼休憩

13:00~14:31
『丹下左膳餘話 百萬两の壺』 
(1935年/91分/35ミリ/ニュープリント)
監督:山中貞雄 日活京都    
出演: 大河内傳次郎 喜代三 澤村國太郎                      
それまでの丹下左膳の映画を撮っていた伊藤大輔が日活を退社したことから、伊藤に代わり山中が監督にあたった異色の左膳映画。
矢場の用心棒として暮らす丹下左膳(大河内傳次郎)は、矢場のお藤(喜代三)と孤児を育てることになる。ところがその子が金魚鉢の代わりに持っていた壺に、百万両の秘密が隠されていた事から騒動に巻き込まれる。

14:40~16:00
山中貞雄パラパラ漫画アニメ 2分30秒 ※
『大菩薩峠 甲源一刀流の卷』   
 (1935年/77分/35ミリ) 
監督:稲垣浩 応援監督:山中貞雄・荒井良平 日活京都                       
FC提供                     
出演:大河内傳次郎 入江たか子 黒川彌太郎

中里介山による未完の小説を映画化。監督は当初予定されていた伊藤大輔の後を引き継いだ
稲垣浩。稲垣は引き受けるにあたり、応援監督に山中貞雄、脚本に三村伸太郎を条件にしたという。
時は幕末、甲州裏街道の大菩薩峠で、一人の老巡礼が机竜之助(大河内傳次郎)に理由も無く殺される。竜之助は、峠のふもとの武州沢井村の沢井道場の若師範であった。

16:10~17:31
『河内山宗俊』      
(1936年 /81分/35ミリ ニュープリント)
監督:山中貞雄 日活京都 
出演:河原崎長十郎 中村翫右衛門 市川扇升 原節子
山中が心酔する前進座と組んで監督した2本目の作品。
ヤクザ者・河内山宗俊(河原崎長十郎)と浪人の金子市之丞(中村翫右衛門)が、弟の借金のせいで身売りすることになった甘酒売りの娘・お浪(原節子)を救うために立ち上がる。
若き日の原節子がヒロイン役で初々しい姿を見せている。


上映スケジュール

1月31日(日)

10:00 開場
10:30~12:14
山中貞雄パラパラ漫画アニメ 2分30秒 ※
『戦群盗傳[総集篇]』  
(1937年/101分/35ミリ)
監督:瀧澤英輔 脚本:梶原金八 PCL=前進座 
出演:河原崎長十郎 中村翫右衛門 河原崎國太郎 山岸しづ江
山中貞雄もグループの一員である“梶原金八”による脚本の映画化。当初、三好十郎がシラーの戯曲「群盗」から翻案したシナリオを山中貞雄が全面的に書きなおした。
時は戦国時代、伊豆の城主土岐左衛門の長男・太郎虎雄(河原崎長十郎)は、弟の陰謀で城を追われ、やがて野武士の首領となる。
昼休憩

13:10~14:36
『人情紙風船』    
(1937年/86分/35ミリ ニュープリント)
監督:山中貞雄 PCL=前進座 
出演:河原崎長十郎 中村翫右衛門 山岸しづ江

山中貞雄の遺作にして代表作となった作品。歌舞伎で知られる「髪結新三」をもとに、江戸の貧乏長屋に暮らす人々の逃げ場のない不安が描かれる。
貧乏浪人の又十郎(河原崎長十郎)は、亡き父の知人に仕官の口を頼むが、相手にしてもらえない。
そんな時、髪結の新三(中村翫右衛門)からある計画を持ち掛けられる。

14:45~16:14
山中貞雄パラパラ漫画アニメ 2分30秒 ※
『その前夜』    
(1939年/86分/35ミリ)
監督:萩原遼 原作:山中貞雄 脚本:梶原金八 東宝 FC提供 
出演:河原崎長十郎 中村翫右衛門 千葉早智子 高峰秀子
山中貞雄の遺稿「三条木屋町」を下敷きに、梶原金八が脚色、「追善映画」として公開された。監督は山中の愛弟子である萩原遼。新撰組による池田屋襲撃事件の直前、その周辺に住む人々の数日間を描く。
池田屋の向かいの旅館・大原屋で長逗留している瀬川(河原崎長十郎)に芸者のお咲(山田五十鈴)は想いを寄せ、旅館の若旦那(中村翫右衛門)は旅館をやめて洗濯屋として再出発を夢みていた。そんな中、新撰組が闊歩し始め・・・。

16:20~17:54
『がんばれ!盤嶽』  
監督:松林宗恵 原作:白井喬次 構成:山中貞雄 宝塚映画 
(1960年/94分/35ミリ)
出演:小林圭樹 志村喬 富士真奈美
 
「諷刺映画」の傑作として知られる1933年の『盤嶽の一生』(山中貞雄脚本、監督)のリメイク。再映画化にあたり、山中の才能をいち早く評価したことで知られる映画評論家・岸松雄が脚本に参加。
大垣道場唯一の弟子の阿地川盤嶽(小林桂樹)は師匠(志村喬)の娘と結婚するため、職を探そうと江戸へ一人旅に向かう。しかし、無類のお人好しの彼は騙されてばかり。


※上映作品の中には制作されてから年月がたち、フィルムの状態が悪い作品もありますのであらかじめご了承下さい。

※特別上映 山中貞雄パラパラ漫画アニメ
 山中が学生時代に使用した辞書に描かれた3篇のパラパラ漫画。キャラクター達がスピード感いっぱいに画面を走り、ダイナミックな殺陣が展開するこの活劇アニメーションは、活動写真に熱狂する少年映画ファンが、シネアストとして形成される過程を垣間見せてくれる貴重な資料でもある。
(提供:京都文化博物館)

 

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