PERFORMANCE & FILM 舞台芸術 & 映画
終了しました
高知ライブエール・プロジェクト
第2回 高知あだたん映画祭 ー 大月町
アニメーション
KOCHI ADATAN film Festival 2023
2023年11月18日[土] - 2023年11月19日[日]
会期|2023(令和5)年11月18日(土)〜19日(日)
会場|大月町・文化教育交流拠点 COSA(高知県幡多郡大月町小才角350)https://www.cosa.info/
料金(税込)|
【1日券】前売1,000円(当日1,200円)/小学生以下無料
*身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・戦傷病者手帳・被爆者健康手帳所持者とその介護者(1名)は3割引(割引料金:700円)です。
前売券販売所|
・高知県立美術館ミュージアムショップ(10月23日~11月2日休業) TEL. 088-866-7653 (9:00~17:00)
・金高堂書店本店 TEL. 088-822-0161 (10:00~20:45)
・ローソンチケット〔Lコード:63037〕
主催|高知県立美術館(公益財団法人高知県文化財団)、すさき まちかどギャラリー/旧三浦邸、大心劇場、大月町、あにめのいろは、公益社団法人日本芸能実演家団体協議会
共催|イメージフォーラム
後援|高知新聞社、RKC高知放送、KUTVテレビ高知、KSSさんさんテレビ、KCB高知ケーブルテレビ、エフエム高知、高知シティFM放送
作品提供(大月会場)|株式会社ダゲレオ出版、大島治、折笠良、木畠彩矢香、プリート・パルン、Zbig Vision、National Film Board of Canada、XYZ Films
助成|文化庁文化芸術振興費補助金(統括団体による文化芸術需要回復・地域活性化事業(アートキャラバン2))|独立行政法人日本芸術文化振興会
事業名|JAPAN LIVE YELL project
「高知あだたん映画祭」他会場|安田町、大月町、高知市
概要
高知あだたん映画祭-KOCHI ADATAN film Festival-は、テレビなどで放映されるポピュラーな映画ではなく、アート性の高い映画や、新進気鋭の作家の映画、サブカルチャー的な映画などを高知県内の広い地域で上映し、映像表現の多様性を味わう映画祭です。2022年に続き2回目となる今年は、須崎市、安田町、大月町、高知市の4カ所で、地域ごとに特色のある映画を上映します。
3会場目の「大月町」では、廃校を活用した施設「COSA」を会場に、多様なアニメーション上映・アーティストトーク・砂で絵を描く体験ワークショップ、さらに中澤ふくみによる個展も行います。
※ゲスト:伊藤高志
プログラム
◾️11月18日(土)
14:00 挨拶
14:15-15:13 ①上映プログラム[詩を視る]
15:30-16:30 ②アーティストトーク
①上映プログラム 14:15-15:13
『SPACY』
監督:伊藤高志/1981年/10分/16ミリ(デジタル版)
無人の体育館の中に、その同じ体育館内部を撮影した写真が立てられており、カメラが無限に写真の中へ突入を繰り返す。膨大な数の写真を使って、映像でしか表現できない運動と空間を作り上げた作者の代表作で、日本の実験映画を代表する1本でもある。後の映像作家にも多大な影響を与えた。
-
『光』
相原信洋/1978年/3分/16ミリ(デジタル版)
公園の芝生にいる人々が画用紙を空中に投げると……。屋外でのアニメーション制作は作者が好んで使う手法だった。誰もが自分でやってみたくなるシンプルで鮮やかなテクニックと牧歌的な雰囲気が楽しい1本。
-
『Recents』
Sophia Michele Bazalgette/6分/デジタルファイル
「写し写される記憶
薄れゆく過去の景色の動き」
-
『水準原点』
折笠良/2015年/7分/デジタルファイル
作者は文字やテキストを題材にしたアニメーション作品を多く制作している。本作は石原吉郎の詩をもとにしており、粘土で作り出した、寄せては返す波を思わせるダイナミックな動きの中に詩人の言葉が一文字ずつ現れては消えていく。
-
『タンゴ』
ズビグニュー・リプチンスキー/1981年/8分/デジタルファイル
1つの部屋に大勢の人々が出たり入ったり、同じ動きを繰り返していく。しかし不思議と人々がぶつかり合うことはない。映像の魔術師ズビグニュー・リプチンスキーの代表作で、当時におけるアニメーションと合成の高度な技術を使って、カオティックな風景に秩序を与えている。第55回アカデミー賞短編アニメ―ション賞受賞作品。
-
『GRIM』
伊藤高志/1987年/7分/16ミリ(デジタル版)
アパートの一室に漂う怪しい光と影。室内の様々なモノからその表皮のみが剥ぎ取られ、宙を漂い、他のモノに貼りつくというアイデアをふくらませて完成させた。全編がカメラのシャッターを開放して撮影する長時間露光のコマ撮りで撮影されている。「GRIM」とは「ぞっとするような」という意味。
-
『幻想』
ノーマン・マクラレン/1952年/7分/デジタルファイル
様々な実験的手法を駆使してアニメーションを制作したノーマン・マクラレンの作品。切り絵やドローイングなど複数の技法やマテリアルを組み合わせて、2次元とも3次元ともつかない不思議な幻想空間を作り上げている。パステルで描かれた夢のような風景の中で、物体が生き物のようにダンスする。
-
『変形して奇形する』
中澤ふくみ/2021年/9分/デジタルファイル
自身の身体を変形させ、人と何かが融合したようなその身体を、一種の道具として利用し、生活する人々。和紙上に線で描かれたものは、1枚ずつ積み重ねられ、その人間の動きを生み出している。透ける残像が動きを滑らかにすることで、像はリアルに近づき、画面に映る紙の背景が、像が虚像であることを強調している。
ー 休憩 ー
15:30-16:30 ②アーティストトーク
伊藤高志(映像作家) × 中澤ふくみ(絵描き)×長谷川亮太(役場職員cosa担当)
【伊藤高志】映像作家。1956年福岡生まれ。大学在学中、映像作家松本俊夫に師事。『SPACY』(1981)が国内外の映画祭で絶賛される。超現実的な視覚世界や人間に潜在する狂気や不条理を追求。代表作に『モノクロームヘッド』(1997)、『最後の天使』(2014)、『零へ』(2021)など。
-
◾️11/19(日)
09:30 挨拶
09:45-10:22 ①子供向けアニメーションプログラム[間をみる]
10:40-12:10 ②マーク・エヴァンス監督『クレイドリーム』
ー 休憩 ー
13:30-14:15 ③相原信洋作品集7本
14:30-15:30 ④アーティストトーク「私にとっての“アニメーション”」
9:45-10:15 ①子供向けアニメーションプログラム[間をみる]
ワークショップに関連した砂アニメーションを含め、様々な手法で作られたアニメーションのプログラム。
・大月の魅力再発見『柏島』大月小学校5年生
-
『タイムアウト』
プリート・パルン/1984年/9分/デジタルファイル
エストニアの巨匠、プリート・パルンの作品。主人公の猫は朝の家事に追われているが、なかなか物事が片付かない。やがて現実逃避の妄想世界に突入し、どんどん奇想天外な冒険が展開していく。遊び心にあふれた様々なアイデアに彩られたおもちゃ箱のようなアニメーション。
-
・大月の魅力再発見『月光桜』 大月小学校5年生
-
『SPECIAL PROGRAM』
監督:木畠彩矢香/2014年/3分/デジタルファイル
サーカスの厨房から逃げ出した子豚は、コックに追われステージに追いつめられる。突然始まった子豚とコックの命がけの追いかけっこに、観客は目を見張る。
全編砂で描画したアニメーション作品。
-
・大月の魅力再発見『ももいろサンゴ・備長炭BBQ・いちごおり・備長炭』大月小学校5年生
-
『砂の城』
監督:コ・ホードマン/1977年/13分/デジタルファイル
砂から生まれた不思議な「サンドマン」は砂から様々な形の生物を作り出す。生き生きとしたキャラクターたちは城を作り、新しい家の完成を祝うが…。砂という素材を巧みに使ったキャラクター造形と少し切ないラストの演出が秀逸。カナダ映画制作庁に初めてアカデミー賞をもたらした作品。
-
・砂ワークショップで制作したアニメーション
-
10:40-12:10 ②『クレイドリーム』
監督:マーク・エヴァンス/2021年/96分/デジタルファイル
『クローズド・マンディ』で第47回アカデミー賞短編アニメーション賞を受賞し、「クレイ・アニメーションの父」として知られるウィル・ヴィントン(1947〜2018)についての貴重なドキュメンタリー。ヴィントンと彼のスタッフへのインタビューと資料映像を通じて、アカデミー賞とエミー賞を受賞したウィル・ヴィントン・スタジオの盛衰を描き出す。
-
13:30-14:15 ③ 相原信洋作品集(上映時間45分)
『やまかがし』
監督:相原信洋/1972年/6分/16ミリ(デジタル版)
作者の幼少期の記憶をもとに、子供の視点を通して基地のアメリカ兵と娼婦の姿を描いたアニメーション。降りしきる雨と黒いやまかがし(蛇)の姿に作者が当時社会に対して抱いたイメージが象徴的に表れている。
『おしろい羽根』
監督:相原信洋/1972年/8分/16ミリ(デジタル版)
西洋絵画のキューピッドのイメージから始まり、人工の羽根を持ったイカロス伝説を思わせる主人公が空を飛んでいく。飛んでいくうちに風景は郊外から都市部へと移り変わり、公害や急激な都市化といった科学技術は本当に人類を幸福にするのかといったテーマが垣間見える。
『短距離ランナー』
監督:相原信洋/1973年/6分/16ミリ(デジタル版)
切り絵から生まれた、シュールな風景の中を走るランナー。それを巨大な手が弄び、針で突こうとする。アスリートの苦悩を描いているかのようなアニメーション。
『ストーン』
監督:相原信洋/1975年/8分/16ミリ(デジタル版)
岩石の表面や家の外壁に描かれるカラフルな線や色の動き。北欧の風景を背景に、雲の動きや時間の変化も取り込んで繰り広げられるダイナミックな実験アニメーション。
『カルマ』
監督:相原信洋/1977年/3分/16ミリ(デジタル版)
作者が得意とした抽象的アニメーションの1本。雨のしずくが波や水泡、渦巻など様々な水のイメージへと展開していき、瞑想的世界が描かれる。色鉛筆で繊細に描かれた線の動きが目を引きつける。
『YELLOW SNAKE』
監督:相原信洋/2006年/11分/デジタルファイル
黄色い指が画面の中心に描かれ、繊細な描線が画面全体を縦横無尽に動き回る。瞑想的な音楽に乗って、円熟した作者の筆致からくる描線の迫力と、動きを描く楽しさがスクリーンに溢れ出てくるような作品。
『BLACKFISH』
監督:相原信洋/2006年/4分/35ミリ(デジタル版)
アニメーション100年を記念して制作されたオムニバス作品『TOKYO LOOP』の一編。抽象と具象を行き来するダイナミックな描線が画面全体に展開し、カラフルな光の明滅の中から怪魚が姿を現す。
-
【相原信洋】1944年神奈川県生まれ。アニメーション制作会社に勤務し、動画を担当するかたわら、1960年代より自主制作を開始。超人的な制作ペースで作品を発表し、2011年4月に急逝するまで、80本以上を遺した。日本を代表するアート・アニメーション作家として、海外映画祭での上映多数。京都造形芸術大学(現京都芸術大学)などで後進の育成にも尽力し、ユニークな指導で学生に慕われた。
ー 休憩 ー
14:30-15:30 ④アーティストトーク
「私にとっての“アニメーション”」
登壇:まさきまゆこ(あにめのいろは) × 中澤ふくみ(絵描き) × 湯田舞(COSA運営マネージャー)
砂で絵を描く体験ワークショップ
期間中に大月町の浜の砂で絵を描く体験ができます。
-
中澤ふくみ個展
中澤ふくみによる作品のループアニメーション、原画の作品をご覧いただけます。(展覧会のみ12/24まで開催)